グーグル従業員が全世界でストライキ。セクハラ疑惑への対応に抗議

IT大手グーグル(Google)社の従業員は1日、同社幹部らが行ったセクハラに対する社の対応に抗議するため、全世界でストライキ活動「Google Walkout For Real Change」を行った。

ニューヨーク・タイムズは先月25日、グーグルがアンディ・ルービン(Andy Rubin)上級副社長らによるセクハラ疑惑が浮上した後、巨額の退職金等を支払い、それらの事実を公表していないと報道した。

今回のストライキを組織した女性は、「(報道により)共謀の文化や、性的嫌がらせの加害者と権力乱用者に支援を行っていたことを知り、社員として我々は、嫌気がさしている。」と述べ、「グーグルは多様性や包括性などを擁護する一方、体系的な人種差別問題、公平性の向上、セクハラの阻止などへの具体的アクションには程遠い。もう十分だ。心強いPRでそれらは阻止することはできない。透明性と説明責任、構造的改革を要求する。」と抗議活動の意図について、ABCニュースに声明を寄せた。

シリコンバレーの本社ほか、ニューヨーク、東京、ロンドン、ダブリン、ベルリン、チューリッヒ、シンガポールなどの事務所で、現地時間の午前11時10分からストライキが開始された。

ニューヨークではチェルシー地区に務める従業員らは、オフィスを出て、4ストリートパークで抗議活動を行った。

問題となったセクハラ疑惑

タイムズによると、グーグルは、ルービン氏が2014年に退社した際、一連の退職金として9,000億円(約101億円)相当を支払った。これらは、4年以上にわたり分割払いされたという。

ルービン氏は、スマートフォン用基本ソフト「アンドロイド」(Android)の「生みの親」として知られる。スタートアップ企業アンドロイド社を設立し、その後グーグルが5,000万ドル(約56億円)で買収した。
アンドロイドのソフトウェアは、現在80%のスマートフォンで使用されており、大きな成功を収めている。

ルービン氏は、2013年に女性従業員をホテルに呼び出し、オーラルセックスなどの性的行為を強要した疑惑が浮上した。事情を知る2名の幹部によると、同社は女性の訴えを調査し、主張の信憑性を認めたという。そして、当時の最高経営責任者で、現在親会社アルファベットの最高経営責任者を務めるラリー・ペイジ(Larry Page)氏が、ルービン氏に辞任を要求した。

ルービン氏は、タイムズの報道を「多大な誤り」があり「ひどい誇張」だとツイッターで非難。広報担当者を通じ、セクハラ行為は存在せず、自主退職だったと疑惑を否定した。グーグルも報道内容を認めていない。

同氏の他に2人の幹部にも、セクハラ疑惑が報じられており、1人は巨額の退職金を受け取り離職。もう1人は現在も高給を伴う役職にとどまっている。

グーグルは48人の解雇を発表

報道後、グーグルのサンダー・ピチャイ(Sundar Pichai)最高経営責任者とアイリーン・ノートン(Eileen Naughton)副社長は、従業員宛の電子メールで、過去2年間でセクハラ行為により13人の幹部を含む48人を解雇したことを明らかにした。

いずれの従業員にも退職金は渡していないとしている。また「全てのセクハラへの苦情は真剣に受け止め、調査を行う」とし、場合によっては解雇などの措置を取るなど、従業員の職場での安全性を確保することを約束した。

一部の従業員は、「何事もなかったかのように振る舞い、さらに悪いことには、男性には支払っておきながら、女性は押しやられた」とセクハラを隠蔽しようとしたことを非難。最高経営責任者の声明は不十分だとタイムズに語っている。

同紙によると、ルービン氏は在職時、部下を無能や愚か者など罵ることで知られていたが、グーグルが対処することはなかったという。(警備員がルービン氏の職場のコンピューターにセックスビデオを発見した時のみ、ボーナスが減給された。)
また、同社で出会った女性と結婚していたが、アンドロイドチームに所属する女性従業員と不倫関係にあったという。ルービン氏は8月に離婚している。

ルービン氏は2011年にグーグルの上級副社長に任命され、年間2,000万ドル(約22億5,000万円)の給与やボーナスなどの報酬を受け取っている。

予定されたストライキに対し、ピチャイ最高経営責任者は、参加する社員を支援すると声明で述べている。