ジュリアーニ元NY市長、BLMを非難。デブラシオ市長は「NY史上最低」

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ルビージュリアーニ ニューヨーク元市長
mark reinstein / Shutterstock.com

ルディ・ジュリアーニ元ニューヨーク市長とマンハッタン共和党のアンドレア・カチマティディス議長など、ニューヨーク市の共和党指導者らは16日、記者会見を開き、ニューヨーク市の復興に向けた2年計画を発表した。abcニューヨークなどが伝えた。

計画は銃暴力の増加や経済、ホームレス問題への対応を目的としたもので、警察官を9,000人増員することや固定資産税の減税などを提案している。

ジュリアーニ氏は会見中、現在の市政を厳しく批判した。

ジョージ・フロイド氏死亡事件以降、全国に拡がったブラック・ライブズ・マター運動について「警察を殺せ、豚を殺せ、これがブラック・ライブズ・マターを表すものだ。彼らは警官殺しだ」と主張。デブラシオ市長と市教育局のリチャード・カランザ教育長は、BLM運動に固執する共産主義者だとして、カランザ氏はキューバへ帰るべきだと攻撃的な発言をおこなった。

デブラシオ市長はパンデミックで「必要以上の命を犠牲にした」と述べたほか、過去数十年の市の進歩を逆行させたと語り、「デブラシオ氏を選んだことは大きな過ちだった」と述べた。

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さらに経済閉鎖を継続するべきではないと主張。再開による感染拡大が懸念されることについて「”もし”ということで閉鎖するなら、毎日閉鎖しなければならない。もしで考えて経済全体を閉鎖、破綻させてはならない」と語った。

銃暴力の増加について「われわれは米国で最も危険な都市から最も安全な都市になったのだ。このバカがなるまではそうだったのだ」と厳しい口調で非難。また「富裕層が市を離れている。金持ちが費用を負担しているのだ。誰が110万人の学校システムや子供の給食費を支払うのだ」と語った。

同日の市長会見で、ジュリアーニ氏の取り組みについて聞かれたデブラシオ市長は、警察組織が改善していると主張。ジュリアーニ氏は「錯乱している」と語った。

「彼は健忘症だと思う。現実から離れている。ルディ・ジュリアーニがどんどん錯乱していくのを目の当たりにしている」と述べた。

一方、記者から市長の発言についてコメントを求められるとジュリアーニ氏は「ニューヨーク史上最低」の市長からの賞賛だと皮肉を述べた。

殺人件数がすでに昨年を上回る

ニューヨーク市の殺人件数は9月14日時点ですでに昨年全体を上回る230件に達した。このペースが続くと対前年の増加率は40%で、1990年以来の高い増加率となる。

なお1990年の殺人件数は、2,200件を超えていた。過去20年間で最も殺人件数が多かったのは2001年で、646件だった(同時多発テロ事件での死者数を除く)。最も少ないのは2018年で、289件だった。

8月に行われた調査によると、マンハッタンの賃貸物件の空室数は13万件で、過去1年間で2倍以上に増加した。3月の感染拡大以降、アッパーイーストサイドやウエストヴィレッジ、ソーホーなどの住民が郊外に流出していることが報じられている。

専門家は、賃貸市場の低下によって、市の最大の収入源である固定資産税が減少。ひいては公共サービスの低下につながりかねないと問題を指摘している。