ジョージア州フルトン郡地検 トランプ氏の刑事捜査を開始

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ジョージア州のフルトン郡地検は、トランプ氏の選挙結果を覆そうとする取り組みに関する刑事捜査を開始した。ニューヨークタイムズが報じた。捜査には、ジョージア州のラッフェンスパーガー州務長官に敗北を覆す票を見つけるよう働きかけた1月2日の電話会談も含まれている。

ファニ・ウィリス検事は10日、ラッフェンスパーガー州務長官や州高官らに宛てた書簡で、2020年ジョージア州の選挙に「影響を与える取り組みに関する調査」に関連する書類の保存を求めたという。書簡は、ブライアン・ケンプ州知事、ジェフ・ダンカン副知事、クリス・カー州司法長官にも送られた。

ウィリス検事はこの中で、捜査には「選挙詐欺の教唆や州または地方政府に対する虚偽申告、謀議、ゆすりを禁じる州法への違反の可能性、就任宣誓に対する違反、選挙運営に関連する暴力または脅迫」を含むとしている。トランプ氏の名前を挙げていないが、情報筋は、トランプ氏の選挙介入に関するものだと話しているという。

ジョージア州では、再集計を3度実施した結果、バイデン氏が11,799票差でトランプ氏に勝利した。

トランプ氏は選挙後、ラッフェンスパーガー氏とケンプ知事は、不正を暴くための十分な努力をしていないと批判。両氏を繰り返し攻撃の対象とした。ラッフェンスパーガー氏との電話に加え、12月初旬には、ケンプ知事に、電話で、敗北を覆すために特別議会を招集するよう圧力をかけた。その後、州検察官に連絡し、不正を見つけるよう働きかけたという。

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▼ラッフェンスパーガー州務長官との電話音声抜粋

前日には、州務長官室が、トランプ前大統領が選挙結果を覆そうとした問題について、正式に調査を開始したと報じられていた。

一連の捜査について、トランプ陣営の顧問を務めるジェイソン・ミラー氏は声明で「本日の弾劾審理を考えれば、このタイミングは偶然ではない」と述べ、「トランプ大統領に対する魔女狩りを継続して、政治的なポイント稼ごうとする、民主党の最新の試みだ」と批判した。

タイムズによると、元検察官は、トランプ氏は少なくとも3つの州法に違反した可能性があると指摘している。選挙詐欺をするよう犯罪を教唆した罪と共謀罪、さらに他人の選挙義務の履行に「意図的な干渉」を禁じる法に違反した可能性があるという。

フルトン郡地検に加え、マンハッタン地検では、2018年からトランプ氏とトランプ一族の企業に対する刑事捜査を進めている。当初、2016年選挙活動中に支払われたとされるポルノ女優への口止め料に関するものだったが、その後、範囲を拡大し、現在は税金詐欺や保険詐欺、業務記録の改ざんにまで及んでいるとみられている。