ロシア国防当局者 16階から転落死

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ロシアの国防当局者が、サンクトペテルブルグにあるマンションの16階から転落し、死亡しているのが発見された。

現地メディアのテレグラムチャンネルによると、死亡したのはロシア連邦軍の西部軍管区で財務部門のトップを務めていたマリナ・ヤンキナ氏(58)。15日の朝、建物の下で死亡しているのが発見された。

建物には元夫とともに暮らしていたとみられ、転落する数分前に、元夫に電話をかけ、これから何をするか、荷物をどこに置いていくかを伝え、警察を呼ぶよう依頼していた。事件後、バルコニーから、ヤンキナ氏の所持品と書類が発見された。健康上の問題により、自殺をはかった可能性があるという。

ロシアの独立系メディアMeduzaによると、ヤンキナ氏は西部軍管区に入る前は連邦税務局に勤務していた。軍管区の新入職員となった後、わずか5年で財務トップに上りつめた。

ロシアでは、政府と関係のある人物らが不審な死を遂げるケースが相次いでいる。

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今月13日には、内務省の過激派対策本部の元副本部長ウラジーミル・マカロフ少将(72)が、モスクワ近郊にある自宅で死亡しているのが発見された。マカロフ氏は1月にプーチン氏によって解任されたばかりで、猟銃を使って自殺をはかった可能性があるとも伝えられている。

12月25日、陸軍の元総司令官、アレクセイ・マスロフ氏がモスクワの軍事病院で急死した。マスロフ氏は退役後、ロシア最大の戦車メーカー、ウラルヴァゴンザヴォード社に勤務していた。死亡する2日前、プーチン氏が同社の工場を見学に訪れる予定だったが、急遽取りやめていた。

この前日の24日、ロシアの軍用潜水艦を製造するアドミラルティ造船所のアレクサンダー・ブザコフ所長が67歳で急死した。ブザコフ氏は死去前日に新型潜水艦の進水式に参加したばかりだった。

さらにその数日後、ロシアの富豪パヴェル・アントフ氏(65)が、インドの滞在先のホテルで転落死したと報じられた。同行していた友人も23日に死亡したと伝えられている。アントフ氏は昨年夏、ウクライナ侵攻を批判した内容が自身のSNSに表示される出来事があった。ただし本人は自分によるものではないと否定していた。

9月、ロシアの石油第2位「ルクオイル」の会長、ラビル・マガノフ氏(67)が病院の窓から転落し、それによる怪我で死亡したと伝えられた。ルクオイルはプーチン大統領のウクライナ侵攻の決定に反発を示した企業で、侵攻開始直後、紛争は「外交的手段による、交渉を通じて」解決するべきとの声明を発表していた。