米捜査当局 クオモNY州知事の調査「コロナ検査優遇措置」に拡大

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連邦捜査当局は、パンデミックの初期にニューヨーク州職員が、アンドリュー・クオモ知事の弟クリス氏や周辺の人物に優先的に検査を提供していなかったかを調査している。ウォール・ストリート・ジャーナルが事情に詳しい人物の話として報じた。

今年2月、米連邦捜査局(FBI)とブルックリンの連邦検察が、高齢者施設の扱いを含むクオモ政権の新型コロナウイルスの対応について、調査に着手したと報じられていた。

検察官は、知事室で検査プログラムを扱った職員らに連絡し、面談の設定を進めているという。

ワシントンポスト紙は今年3月、検査の優遇プログラムが、昨年3月中旬からはじまり、クオモ氏の弟でCNNのアンカーを務めるクリス・クオモ氏を含む、親族や著名人が検査を受けたと報じていた。医師で、現在は州保健局長の特別顧問を務めるエレノア・アダムス氏が、ハンプトンにあるクリス氏の自宅を訪れ、一家のサンプルを採取したほか、看護師が2人組になって「数十人」のVIP宅を訪れて検査をしていたという。

なお、クリス氏は昨年3月31日に感染が判明した。その後、自宅から度々CNNの番組に出演し、闘病の様子をレポートしていた。

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ニューヨーク州では昨年3月から、FDA承認のもと、州保健局のワーズワース研究所で州独自の検査プログラムを開始していた。開始当初は、検査数が1日数百件程度に限られており、ウイルスに暴露した可能性やすでに症状のある州民の多くが、検査を受けられずにいた。

クオモ氏の上級顧問リッチ・アゾパルディ(Rich Azzopardi)氏は当時、ワシントンポスト紙の取材に、パンデミック初期の検査では「ニューロシェルのように、感染者を特定し、拡大を防ぐために、新型コロナウイルスに暴露したと考えられる人々の家を一軒ずつ訪問して、検体を採取する」といったことがあったと説明。政権が支援した中には「議員、レポーター、州職員とその家族ら」が含まれていたと答えていた。

これとは別に、ニューヨーク州の司法長官室では、クオモ氏がパンデミック中に出版した著書「アメリカン・クライシス」に関して、スタッフに手伝わせるなど、州のリソースを私的に使用した疑いがあるとして、調査を進めている。

これと並行して、元ニューヨーク州南部地区連邦検事局の検事長代理のジュン・キム(Joon Kim)氏と雇用法を専門とするアン・クラーク(Anne Clark)氏が、司法長官の任命を受け、クオモ氏による複数の女性に対するセクハラ疑惑を調査している。