議事堂襲撃事件、FBI ホワイトハウス関係者と極右団体の通話を特定

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1月6日の議事堂襲撃事件の数日前に、極右団体「プラウド・ボーイズ」のメンバーが当時のホワイトハウスに関係する人物と連絡を取っていたとことがわかった。ニューヨークタイムズが、捜査当局の関係者の話として報じた。

議事堂襲撃事件に関連し、これまでプラウド・ボーイズのメンバー数十名が逮捕、起訴されている。

同グループのリーダー、エンリケ・タリオ氏はニューヨークタイムズの取材に、事件数日前にフロリダのマルコ・ルビオ上院議員宅前で行った抗議活動の最中、トランプ氏と親しいロジャー・ストーン氏と電話をしたことを認めているが、捜査関係者は、調査中の通話は、これに関するものではないとしている。

タリオ氏は1月4日、12月の抗議活動に関連して、首都ワシントンで身柄を拘束された。首都を離れるよう要求され、議事堂襲撃には参加していない。

通話の存在は、議事堂襲撃事件直後にFBIが通信技術会社から入手したデータから判明したという。FBIは会話の内容については特定していないという。

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これまで裁判所に提出された資料には、議事堂にサービスを提供している基地局に関係した電話に関連する令状や、FBIが携帯キャリア大手から同基地局を通じてかけられたすべての電話番号の情報を受け取ったことが示されているという。

FBIはまた、事件中に議事堂内にあったすべてのアンドロイド機器に関する情報の提供を要請する「ジオフェンス」令状を取得したという。対テロ対策部門トップのジル・サンボーン氏は、上院公聴会で、議事堂襲撃事件の調査でFBIが収集したすべてのデータは、召喚状と捜索令状によって合法的に取得していると証言している。

さらに、これらの記録から、事件の数日前に、当日の集会に姿を現すことを計画していた議員と極右主義者との間で通話が交わされたことも判明したという。司法省は、これらの通話について調べているが、議員に対する捜査には着手していないという。

FBIは4日、国務省の元補佐官、Federico Klein氏を、議事堂に侵入し、武器で警察官を暴行したなどの罪で起訴したと発表した。トランプ政権で役職を担っていた人物が起訴されるのは初めて。

このほかに司法省は、ロジャー・ストーン氏が、6日の事件に果たした役割の可能性をはかるため、極右過激主義者らとの通話を調査をしているという。ストーン氏は、タリオ氏を知っていたほか、事件前日に民兵組織オース・キーパーズをボディーガードに使用していた。

ストーン氏は先月、オース・キーパーズから自発的にセキュリティを提供されたとしつつ、これが事件への関与を示す証拠とはならないと主張。事件にいかなる関与もしていないと述べている。