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「バンライフ」女性殺害事件 自殺した婚約者の告白

全米が注目した若きインスタグラマーの殺害事件に終止符?

連邦捜査局(FBI)は21日、婚約者とアメリカ大陸横断旅行に出かけたまま帰らぬ人となったギャビー・プティトー(Gabby Petito)さん(19)の事件に関し、最終報告書を発表した。

FBIデンバー支局のマイケル・シュナイダー特別捜査官は、声明で「すべての論理的な捜査手順が完了した」とし、プティトーさんの死に「直接関与した人物は、ブライアン・ランドリー以外にいない」と結論を述べた。

事件の経緯

ランドリー氏とバンで大陸横断に出かけたプティトーさんと連絡が取れないとして、両親から行方不明届けが出されたのは9月11日。この約1週間後、プティトーさんは、ワイオミング州ブリッジャーティトン国立森林公園内のキャンプ場で、遺体となって発見された。死因は絞殺によるもので、死亡の推定日時は、発見から遡ること3、4週間前とされた。

一方、ランドリー氏は同月1日に、旅行に使用していたバンで、フロリダー州の自宅に1人で帰宅していた。プティトーさんの遺体発見前、ランドリー氏が捜査に協力を拒んでいると報じられたほか、失踪を自ら知らせなかったことから、世間の疑惑の目が集中。15日には、フロリダの地元警察によって、事件の「参考人」に指定されたことが明らかになった。

しかしこの数日後、事態が急転。ランドリー氏の両親がカールトン保護区に出かけたま帰宅しないとして、行方不明を提出した。水に覆われた湿地帯の捜索活動は、難航。約1カ月後の10月20日、自宅付近の自然保護区で、ランドリー氏の遺体が、バックパックやノート所持品とともに発見された。

犯行告白、生存の偽装工作

FBIデンバー支局は、今回の最終報告で、遺体とともに回収したランドリー氏の所持品に、リボルバーが含まれていたことを明らかにしたほか、ノートを調べた結果、プティトーさんの殺害を認める声明が記載されていたと発表した。具体的な内容については、公表していない。

なお、ランドリー氏の死因について、フロリダ州サラソタの検視室は昨年11月23日、自ら撃った銃弾によるものと報告している。

最終報告ではさらに、プティトーさんの死後、2人の間で複数のテキストメッセージのやりとりがあったことから、ランドリー氏が、プティトーさんが生きていると見せかけ、捜査当局を欺こうとしていたと発表された。

行方不明白人女性シンドローム

ギャビープティトー
(C)FBI

インスタグラマーの失踪・殺害事件は、メディアが連日、進展を報じ、ネット探偵もプティトーさん探しや、事件の謎解きに躍起となった。

TikTokユーザーを中心に、ドメスティック・バイオレンスの可能性や、完全犯罪説、連続殺人犯説など、さまざまな憶測や、根拠のない説がSNSにあふれた。さらに逃亡中の重要指名手配犯を追うリアリティ番組に出演する「ドッグ・ザ・バウンティ・ハンター」ことデュアン・チャンプマン氏も、ランドリー氏の捜索に名乗りをあげる騒ぎとなった。

しかし中には、プティトーさんの遺体発見に繋がる有力な情報も寄せられた。FBIは報告書で、目撃者の情報提供や、協力に謝礼を述べている。

一方、メディアの過度な扱いを受け、一部からは「行方不明白人女性シンドローム」と報道姿勢に対する人種の偏りを指摘する意見が寄せられた。批判を受け、有色人種の行方不明者にも注目が集まった。


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