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トランプ大統領 FBI長官を解任

5月9日(火)トランプ大統領は、ジェームズ・コミー連邦捜査局FBI長官を解任した。大統領によるFBI長官の解任は、ビル・クリントン大統領時代のウィリアム・セッション氏のみで、異例の決定となる。2016年大統領選へのロシア介入疑惑の捜査途中における解任劇は、様々な憶測と波紋を呼んでいる。

解任の理由は?

コミー長官の解任は、5月9日の午後5時頃に、e-mailと手紙でFBIに通達された。
大統領は解任理由を、ジェフ・セッションズ司法長官とロッド・ローゼンスタイン司法副長官の進言によるものと記し、2名が作成した書類が添付されている。
ローゼンスタイン副司法長官の書類は、司法長官宛に提出された形式となっている。
書面では、「クリントン議員の私用メールに関する捜査結果の取り扱いに関し、長官を擁護することはできない」「2016年7月5日に司法長官の権限を侵害し、訴追をせずに捜査を終了すると公表したことは誤りである。」と述べ、「(捜査結果の扱いに関し)長官が誤りを犯したという一般的な見解を、長官自身が受け入れようとしないことは、理解できない」「ほぼ全ての人が長官が重大な過ちを犯したという意見で一致している」とコミー氏が長官として不適格であることを強調。「この誤りの重大性を理解し、二度と同じ過ちを犯さないと誓うことができる長官でない限り、FBIは国民と議会の信頼を取り戻すことはできない。」と解任理由を述べている。

FBIに宛てられた手紙

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翌日メディアから解任理由を聞かれた大統領「(理由は)とても単純だ。彼はよい仕事をしていないから。」と回答。

本当の理由は?なぜいま?

大統領はこれまで、公の場でコミー氏を評価する発言をしてきた。なぜこのタイミングで選挙期間中の事案を理由に解任したのか、ロシアによる大統領選介入疑惑の捜査を阻止するためではないか等、メディアから様々な疑問が投げかけられた。

コミー氏を賞賛する大統領のまとめ動画

CNNに出演し、書面通りの解任理由を述べる大統領上級顧問ケリーアン・コンウェイ氏。キャスターとの議論は平行線を辿った。

呆れるアンダーソン・クーパー氏。その表情がツイッターで話題に。

翌日のCNN。噛み合わない議論に、キャスターのクリス・クオモ氏が熱くなる場面も。

10日のホワイトハウス記者会見では、スパイサー報道官に代わり、サラ・ハッカビー・サンダース氏が登場。「大統領のコミー氏への信頼は、選挙に勝利した時から損なわれていた」と発言。

一方、ニューヨークタイムズは、コミー氏が、解任の数日前にローゼンスタイン司法副長官と会い、ロシアによる大統領選介入疑惑の捜査に関し、人員の増強を求めていたことを報じた。

Days before he was fired as F.B.I. director, James B. Comey asked the Justice Department for more prosecutors and other personnel to accelerate the bureau’s investigation into Russia’s interference in the presidential election.

さらに、同紙は、5月3日の上院司法委員会の公聴会におけるコミー氏の証言が、解任を決定付けたと分析。
公聴会で、「FBIの捜査が大統領選に影響したかもしれないと考えるのは、いささか吐き気を覚える」と発言するコミー前FBI長官。

コミー氏本人は

解任当日、コミー氏は、採用活動のためにロサンゼルスに出張していた。自身の解任の一報を聞いた際、最初は冗談だと思ったという。長官はその後の予定を急遽キャンセル。テレビ各局が、移動するコミー氏の車をヘリコプターで追跡、生中継した。

中継を見て「OJシンプソンの事件」を思い出す人も。

10日、コミー氏から職員に宛てたレターが公開された。

かねてから私は、大統領は理由の有無を問わず、FBI長官を解任できると考えてきた。解任の決定と、その実行について、私は拘うつもりはない。諸君もそうであってほしい。諸君と任務から離れなければならないのは名残惜しいが、解任はすでに決定したことであり、私はそれで良かったと思っている。・・・

民主、共和党両議員から非難が寄せられた

チャック・シューマー(Charles Schumer)民主党代表上院議員。9日の解任が伝えられた直後に会見を実施した。

「私は、あなたは大変な間違いを犯していると、大統領に伝えました。なぜ今なのか?」大統領選でロシアがトランプ陣営に介入した疑惑に関して、捜査が早まっていたため、コミー氏を解任することで幕引きを図ろうとしたのではないか、と批判。セッションズ氏は、選挙前にロシア政府関係者と接触していため、ロシアの選挙介入に関する調査に関わらないこととしていた。そのセッション氏が、今回のコミー氏の解任において、大統領に進言を行っていたことも非難した。

共和党のジョン・マケイン上院議員
「ヒラリーの電子メールの調査は、彼を更迭するのに十分な理由とはいえない」

共和党のリチャード・バー(Richard Burr)上院議員(ロシアの選挙介入を追求している米上院情報委員会に所属)
「コミー氏は最も難題に取り組んでおり、彼の退任は私たちの調査も困難にし、混乱を招くだろう。この解任は局やこの国にとっても大きな損失だ」

「”Nixonian”(ニクソンのよう)だ」と表現する議員も。

あのニクソンでさえもFBIの長官は解雇しなかったと、「The Richard Nixon Presidential Library and Museum」はツイート。後に、この発言は適切ではなかったとしている。

1973年10月ウォーターゲート事件渦中に、リチャード・ニクソン大統領が特別検察官を解任し、それを受けて司法長官と副司法長官が辞任した「Saturday Night Massacre(土曜の夜の虐殺)」になぞらえる人も。

解任を正当化する大統領

各方面からの非難に対し、大統領は、決定を正当化しようと、次々とツイッターを発信した。

チャックシューマーは「もはやコミーは信頼できない」と宣言したばかりだ。それでいて、憤慨したように振舞っている。

コミーは、共和と民主の両党を含め、ワシントンのほとんどの人の信頼を失っていた。事が落ち着けば、彼らは私に感謝するだろう。

民主党議員は何ヶ月もコミー長官を非難してきた。ところが、いざ解任されてみると、被害者のように振舞っている。インチキの偽善者だ。

さらに、コミー長官の辞任を求める議員達の過去の発言を編集した動画を、ツイッターで配信した。

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