フェイスブック 方針一転 コロナ人工説の投稿容認へ

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フェイスブックは、新型コロナウイルスが人工的に作られたと主張するユーザーの投稿を、今後は削除しないとした。ポリティコが伝えた。

同社の広報担当者は、同サイトに対して「COVID-19の起源に関する進行中の調査と、公衆衛生の専門家との協議を踏まえ、われわれは今後、COVID-19が人工のだとする主張をアプリから削除しない」と説明。「新事実やトレンドに対応して、ポリシーを常に更新している」と加えた。

FBは2月、公衆衛生に関して誤解を与える情報の制限範囲を拡大し、この中で「COVIDが人工的に作られた、または製造された」と主張する投稿を禁止していた。ニューヨークポスト紙は、2月に掲載した武漢研究所リーク説の可能性を唱えたオピニオン記事をシェアした投稿にも、警告表示を受けたと批判している。

FBの方針変更の背景には、陰謀論の類として排除されてきた研究所リーク説をめぐる議論の変化がある。

ウォールストリート・ジャーナルは24日、新たに開示されたインテリジェンスレポートをもとに、武漢ウイルス研究所の3人の研究者が、2019年11月に「コロナウイルスおよび通常の季節病と一致する症状」で通院を余儀なくされたと報じた。中国側は昨年、最初に確認されたコロナ感染者が症状を発症したのは、12月8日だと発表している。

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米感染症の権威、国立アレルギー・感染症研究所のアンソニー・ファウチ所長は11日に開催されたシンポジウムで、ウイルスが自然に発生したという話を完全に確信していないと発言。「中国で何が起きていたのか、調査を継続するべきだ」と主張した。ファウチ氏は昨年5月、ナショナル・ジオグラフィックの取材で、研究所発生説に否定的な考えを示していた。

26日には、バイデン大統領が「米国の情報機関は2つのシナリオに分かれているが、決定的な結論に至っていない」として「情報機関に、情報の収集および分析の取り組みを倍増し、90日以内に報告するよう求めた」と声明を発表した。バイデン氏はさらに「中国に対する特定の疑問を含む、必要となるであろう分野への一層の調査を求めた」述べ、国際社会と連携して、中国に対して「完全、透明、証拠に基づく国際的な調査に参加し、関連データと証拠を開示するよう働きかける」と宣言した。

一方、トランプ前大統領は25日、自身のブログで「私は非常に早い段階から、武漢がコロナウイルスの発生源だと主張した」と投稿。「私にとっては、最初から明らかだったが、いつものとおりひどく批判を受けた。今はみんな私が正しかったと言っている」と主張した。

トランプ氏は昨年4月、武漢の研究所が発生源であることを確信していると述べ、記者からの証拠を見たかとの質問には「見た」と答えるなどしていた。またポンペオ国務長官はこの数日後、テレビ番組のインタビューで、研究所発生説を示す「膨大な量の証拠がある」と語っていた。