Qアノンスタートから3年、フェイスブックが関連アカウントを全面排除

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フェイスブックは6日、Qアノンに関連するフェイスブックページやグループ、インスタグラムアカウントをすべて削除すると発表した。

同社は声明で、8月以降、潜在的に暴力へとつながる議論などが含まれる1,500以上のQアノン関連ページやグループ、300以上の武装派の活動と関係する6,500以上のページとグループを削除してきたが、Qアノンに関してはさらなる規制が必要との判断に至ったと説明。今回は、暴力的な内容を含んでいないアカウントも含め、全面的に禁止する。

同社は、全面禁止の理由として、Qアノンの拡散するメッセージがすばやく変化し、新たなオーディエンスが次々と構築されている点や、暴力的なページ以外にも、西海岸の山火事に関するデマなど、現実の危害につながるケースがあるためだと述べた。9月、西海岸で発生した山火事を過激派のメンバーが起こしたとのデマが流れ、州当局に通報が殺到。消火や警察活動が妨げられる出来事があった。

同社は今回の削除措置について、数週間かかると見通しを述べつつ、取り締まりを執行する危険組織対策チームが「ユーザーからの報告に頼るのではなく、削除対象となるコンテンツを積極的に洗い出す」と発表している。

Qアノンは、2017年にインターネット掲示板の匿名の投稿から始まった陰謀論。リベラル政治家やセレブらがディープステートを動かし、国際的な児童売春を主導しているなどと主張している。フォロワーの間で、トランプ大統領は、ディープステートを暴くために選ばれ、軍と協力して戦っていると考えられている。先日下院で可決されたQアノンの非難決議には、Qアノンは、9.11からワクチンまで「実質的に過去数十年の陰謀論を抱き合わせた」ものに拡大しており、支持者の中には、反ユダヤ主義的な見解を示している者も多いと説明されている。またFBIは「国内過激派の犯罪や暴力行為を全体的、または部分的に誘発する可能性」があると評価している。

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実効性に疑問の声

上院情報委員会のマーク・ワーナー議員(民主党)は、フェイスブックの決定について「今朝、Qアノンの脅威をより真剣に受け止めるようフェイスブックに促したところだった。なぜなら、Qアノン勢力の拡大がフェイスブックによってもたらされているという証拠が増えているからだ」と歓迎する一方、「同社はこれまで『ブーガルー』の件を含めてポリシーの施行に何度も失敗している」と懸念を表明。「最終的には、フェイスブックが実際に対策をするかどうかが真のテストになるだろう」とツイートした。

フェイスブックは今年6月、反政府的な過激主義運動『ブーガルー(Boogaloo)』関連のアカウントやページを閉鎖し、今後も関連組織やグループを規制すると発表したが、8月にこれらの活動を徹底的に検出できていないと報じられた

名誉毀損防止同盟(ADL)のCEO、ジョナサン・グリーンブラット氏は声明で「今回発表された規則がどのように実施され、効果的かどうか、明示されることを望んでいる。トランプ大統領のコロナ感染に関する誤情報が瞬く間に広まったように、Qアノンは我々の民主主義を脅かす存在だ。われわれは今なお、Qアノン支持者が規制をかいくぐり、誤情報を拡散するための別のプラットフォームを見つけることを懸念している」と述べた。