パーラー元CEO、トランプ氏と連携したくなかった

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SNSパーラーのジョン・マッツェ元最高経営責任者は、番組「Axios on HBO」で、プラットフォームがトランプ前大統領と連携することを望んでいなかったと話した

メイツ氏は「トランプ氏と連携するという考えは好きではなかった」と述べ、「トランプ氏が、自分のやりたいことをするために、社員をいじめたかもしれない」と理由を話した。一方「契約に応じなければ、復讐心を抱いて、彼のフォロワーにパーラーから離れるよう話すのではないかと心配していた」と語った。

BuzzFeedは5日、トランプ・オーガニゼーションとパーラーの間で、同社がパーラーの40%のオーナーシップを得ることを条件に、トランプ氏がパーラーを主たるSNSとして利用するという契約が話し合われていたと報じた。

協議は、昨年夏、トランプ陣営のメンバーとパーラーの間で始まり、トランプ氏が11月の選挙で敗退した後に、トランプ・オーガニゼーションとの間で再び浮上した。トランプ氏が交渉にどの程度関与したかは不明だとしている。

複数の情報筋によると、昨年6月、フロリダにあるトランプ氏のクラブ、マール・ア・ラーゴで、当時選対本部長だったパースケール氏と陣営の弁護士、アレックス・キャノン氏が、マッツェ最高経営責任者とパーラーの出資者、ダン・ボンジーノ氏、ジェフリー・ワーニック氏と協議を行った。しかし、この後間もなく、ホワイトハウスの法務顧問が、契約は倫理規定に違反するとして、話し合いの中止を求めたという。

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選挙から数週間後に協議が再開したが、1月6日の議事堂襲撃事件後、物別れに終わったという。

マッツェ氏は、その後のAxiosのインタビューで、マール・ア・ラーゴの会合はワーニック氏が設定したと話した。話し合いは数時間に及んだという。

3日、マッツェ氏は従業員に当てたメモで、取締役会によって解任されたと明らかにした。マッツェ氏はメモで「レベッカ・マーサー氏がコントロールするパーラーの取締役会が、パーラーのCEOとしての地位を直ちに終了することを決定した」と伝え、自分は決定には関与していないと述べた。

マッツェ氏はNPRのインタビューで、マーサー氏と「フリースピーチ」をどこまで許容するかなど、方針に関する言い争いがあったと明かし、会社を成功させるには、国内テロやQアノンを含む、暴力を扇動するグループを取り締まらなければならないと語った。

議事堂襲撃事件の後、マッツェ氏は、コンテンツの取り締まりを強化しなければならないと感じたといい、「事件は、これまでやってきたことを変えなければ、何が起こりうるかをはっきりと示していた」と話した。

なお、パーラーは、メイツ氏の説明は「不正確で誤解を招く」としている。

パーラーは2018年にスタートしたツイッターに類似したSNSサービス。フリースピーチを謡い文句としており、トランプ支持者の間で人気が高いことで知られる。1月6日の議事堂乱入事件後、米アマゾンがホスティングを停止することを決定。10日からオフラインになった。同社は停止理由について、パーラーが「暴力的コンテンツ」を継続的にホストしており、AWSの利用規約に違反したとしている。

サービス停止の翌日、パーラーはアマゾンをシアトルの連邦地裁に提訴した。アマゾンはアカウントを単なる停止ではなく、終了しており、30日前の通知をするべきだとし、さらに、AWSの主要顧客であるツイッターと共謀し、反トラスト法に違反したと主張。裁判所に、アマゾンにホスティングの継続を要求する仮差し止め命令を求めた。

しかし、連邦地裁判事は21日の判決で、契約に違反したのは、アマゾンが警告した扇動的なスピーチを削除しなかったパーラーだとして、差し止めの請求を退けた。