マルコムX暗殺事件 警察とFBIの関与示す新たな証拠

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黒人運動指導者マルコムX(Malcolm X)暗殺事件に関し、当時潜入捜査をした警察官が、死に際して、ニューヨーク市警察(NYPD)とFBIの事件への関与を記した手紙を残していた。

潜入捜査官だったレイモンド・ウッド(Raymond Wood)氏は、手紙を死亡する前に公にしないことを望んだという。

マルコムX氏の遺族とウッド氏の親族、弁護士のベン・クランプ氏は20日、会見を開き、手紙を公表するとともに、徹底した調査を求めた。

NY1によると、ウッド氏は手紙で、暗殺事件の前、マルコムX氏の警護隊員の逮捕に関与したと告白しているほか、殺人罪に問われたトーマス・ジョンソン氏(2009年に死亡)の有罪判決は誤りだったと述べている。

さらに、警備隊員の逮捕は、マルコムX氏が殺害されたオーデュボン ・ボールルームの入り口のセキュリティをなくすことを保証するものだったと述べているという。

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手紙には、自分が進み出れば、大きな代償を払わされるのではないかと懸念を示されていた。

ウッド氏の親戚のレジー・ウッド氏は会見で「今になって思えば、我が黒人市民の前進にとって悪く、有害な活動に参加してしまった。ニューヨーク市警察における私の行動は、強要と恐怖によって行われた」と手紙を読み上げた。

クランプ氏は会見に先立ち、NYPDとFBIが共謀した証拠を明らかにすると発表していた。

ニューヨーク市警察は声明で「マンハッタン地区検事局が数カ月前、、マルコムX氏の殺害をめぐる2件有罪判決に関する捜査と訴追について審査を開始した」と述べ、「NYPDは事件に関連する入手可能なすべての記録を地検に提出した。いかなる点からも審査に協力することを約束する」と発表した。

マルコムX氏は1965年2月21日、ワシントンハイツにあるオードゥボン舞踊場で演説の最中、凶弾に倒れた。