トランプ氏 訴追はむしろ選挙に追い風?イーロン・マスクが予想

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イーロンマスク

トランプ前大統領が来週にも訴追される可能性が報じられたのを受け、テスラやツイッターのCEO、イーロン・マスク氏が反応。トランプ氏が逮捕され、手錠をかけられるならば、来年の大統領選では「大差で再選を勝ち取る」と予想した。

CNNによると、トランプ氏を捜査しているニューヨーク州マンハッタン地区検察は今週、ニューヨーク州裁判所の護衛官およびニューヨーク市警察と、トランプ氏が起訴された場合に備え協議を行った。検察当局に身柄が引き渡される際の裁判所周辺の警備計画について話し合ったという。なおFOXニュースは、トランプ氏の移動や手錠をかけるかどうかなど細かな方針について、シークレット・サービスが取り仕切る可能性があると報じている。

訴追案件は、トランプ氏と2006年に不倫関係にあったと主張する米ポルノ女優ストーミー・ダニエルズ(本名:ステファニー・クリフォード)氏に支払われた「口止め料」疑惑に起因するもの。トランプ氏が大統領選の候補者だった2016年、元個人弁護士のマイケル・コーエン氏を通じて13万ドルをダニエルズ氏に支払い、関係を口外しないよう迫ったとされる。なお、コーエン氏はのちにこの件で有罪を認めて2年半服役し、2020年に出所した。

口止め料を支払う行為は違法ではないが、トランプ氏は、コーエン氏に払い戻す際に弁護士費用と計上し、虚偽報告をした疑いがあるほか、選挙数週間前にダニエルズの沈黙を買収するよう手配したことが、選挙資金法違反にあたる可能性があると報じられている。

訴追は大統領選の追い風?足かせ? 

トランプ氏は18日午前、自身の立ち上げたSNSサービスTruth Socialで「火曜日に逮捕される」と自ら予告。「崩壊し、非常に政治的なマンハッタン地区検察から、違法な情報リークがあった。暴力事件を記録的に増加させ、トップがジョージ・ソロスに資金提供していた地区検察だが、その情報によると、犯罪の証拠もなく大昔の、(多くの検察官によって!)潔白が証明されたおとぎ話を証拠に、共和党で他を遠く引き離した最有力候補でもある元米国大統領が来週火曜日に逮捕されるそうだ。抗議せよ。我々の国を取り戻せ!」と、すべて大文字で、支持者を奮起させるような内容をつづった。

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訴追の可能性が浮上したことについて、ネット上ではトランプ支持者からは政治的弾圧だとする検察側への批判が上がった。

熱烈なトランプ支持派で極右派のマージョリー・テイラー・グリーン下院議員(共和・ジョージア州)はツイッターで「共産主義国が政敵を陥れるやり方と同じだ!共和党議員は共産主義者を召喚し、こんなやり方を断ち切るべきだ」と強い反発を示した。

これに対し、共和党の中でも反トランプ派として知られるアダム・キンジンガー元下院議員は、グリーン議員へのリプライとして「法を犯せば、牢屋に入る」と牽制した

また、トランプ氏がすでに次期大統領選に出馬していることから、マスク氏のように訴追された場合の大統領選への影響に言及する人もいる。

先月、人種差別発言でメディア各社から掲載停止を受けた米漫画「ディルバート」の作者、スコット・アダムス氏は、マスク氏同様、トランプ氏にとって訴追はむしろ追い風になると予想。「当局が手錠をかければ、トランプは次の大統領だ」と投稿している。