イーロン・マスク 破綻のシリコンバレー銀行買収に意欲?テスラ株主は反対

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イーロン・マスクとツイッター

シリコンバレー銀行の経営破綻をきっかけに米国市場が大きく揺れる中、ビジネス界の風雲児イーロン・マスクCEOは、これをむしろ好機ととらえているのかもしれない。

経営破綻が発表された10日、マスク氏はあるツイッターユーザーの「ツイッターがシリコンバレー銀行を買収して、デジタルバンクになるべきだ」という投稿に反応。これに返信する形で「この案に私はオープンだ」と否定しなかった。

シリコンバレー銀行は、8日、金利上昇により含み損が膨らんだ長期国債を大量に売却し損失を計上すると発表する一方で、財務ポジションの強化のために資本調達をするとした。しかし、これが利用者の不安に火をつけ預金が一気に流出、破綻に陥った。10日に米連邦預金保険公社(FDIC)の管理下に置かれた。英国子会社については英金融大手HSBC が買収を発表している。米国法人については、現在ヘッジファンドなどが買収に名乗りを上げているという。

マスク氏が本気か定かではないが、一部ユーザーからは賛同の声が上がった。サブスクライバー186万人の金融系YouTubeチャンネル「ミート・ケビン」を運営するケビン・パフラス氏は「素晴らしい機会。そうでなければ、銀行設立許可を得るだけで2〜3年かかるところだ。きめ細かな櫛で、不良債券をしっかり梳かすのを忘れずに!!」と期待を込めた。

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一方、テスラの顧客でインベスターでもあるとするユーザーは「また200億ドル相当のテスラ株を売るんだろう。御免だ!」と反対の声を上げた。

マスク氏は昨年、440億ドルで買収したツイッターの資金繰りを助けるために、次々とテスラ株を売り、同社の株価下落に一役買った。売却した株式の総額は約230億ドル相当と報じられている。