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中国金メダリスト アイリーン・グー インスタ使用で「外国人特権」と非難

北京冬季五輪の女子フリースタイルスキーで中国に金メダルをもたらしたアイリーン・グー(Eileen Gu、谷愛凌)選手(18)が、国内で閲覧が制限されているアプリを使用しているとして、中国のネット民から非難の声が上がった。

カリフォルニア州サンフランシスコで生まれ育ったグー氏は、3年前に中国に帰化したと伝えられている。

中国では、国外のウェブサイトの閲覧やアプリのダウンロードを規制する「グレートファイアーウォール」によって、インスタグラムやフェイスブック、ツイッター、ユーチューブを利用することができない。

インディペント紙によると、きっかけとなったのは、グー氏とネットユーザーのやりとり。「あたなはなぜインスタグラムを使用することができて、本土の何億人の中国人はできないの?なぜ特別待遇を受けているの?公平ではないか。ネットの自由がない中国人のために、声をあげてもらえないか?」と尋ねられたグー氏は、「だれでもVPNをダウンロードできる。文字通りAPPストアの”無料”ソフトよ」と回答した。

このやり取りのスクリーンショットが、中国のSNS「ウェイボ」で出回った。

この会話について、あるユーザーからは「実際、私は”誰でも”ないんだ。私にとって、VPNの使用は違法。文字通り、自由なんかこれっぽっちもない」と皮肉のコメントが飛んだ。

WeChatでは、グー氏が中国政府から「特別待遇を受けているのでは」という疑惑が浮上し、あるユーザーが「彼女の個人的な興味関心ごとを最大化するための、アメリカ人ゲスト」という声が上がったという。

国外からも特別待遇を指摘する声が上がった。中国政府に批判的な人権活動家のアーティストBadiucao(巴丢草)氏は、ツイッターでこのやり取りをシェアし、「中国では、VPNを使用して西欧のニュースを読んだり、意見をツイートするだけで逮捕された」と述べ、「一方のグー氏は、一般の中国人の残忍な現実を払拭し、中国共産党のプロパガンダにやすやすと陥った。恥ずべき!外国人ゲストとしての特権」だと非難した。

インディペンデントによると、VPNは海外のサイトにアクセスするための方法として、広く使用されてきたが、合法性に関しては「グレー」であり、中国政府は最終的に、これらのサービスの提供を禁止する可能性を示唆しているという。

ガイドブックのLonely Planet Chinaは、中国国内でVPNソフトをダウンロードするのは「極めて困難」だとし、渡航者に、出発前にインストールするよう推奨している。

なおウォイボに投稿されたスクリーンショットは、数千回シェアされたが、その後検閲され、見ることができなくなったという。

国籍を巡る疑問

グー氏に関しては、米国内からも二重国籍に関する疑惑や、中国代表としてオリンピックに出場したことを非難する声が上がった。8日の記者会見では、米国のジャーナリストから、国籍に関する質問が何度も投げかけられたが、曖昧な回答を繰り返し、明言を避けた。

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