ウディ・アレン(Woody Allen)監督の養女、ディラン・ファロー(Dylan Farrow)さんは、18日に放送される米CBS朝の情報番組「CBS This Morning」で、幼少時にアレン氏より受けた性的虐待の真相を語ることが発表された。インタビューは、15日(月)、コネチカット州ブリッジウォーターの自宅で収録された。
ファローさんは、これまで新聞のオプエドを通じて告発を行ってきたが、虐待についてテレビで語るのは、今回が初めてとなる。
Only on @CBSThisMorning, Dylan Farrow addresses alleged sexual abuse by her adoptive father, Woody Allen. For 25 years, Farrow has insisted Allen sexually assaulted her when she was a child. In her conversation with @GayleKing, Farrow explains why now is the time to speak out: pic.twitter.com/Sfsz4YK0hu
— CBS News (@CBSNews) 2018年1月17日
ファローさんは、かつてのパートナー、ミア・ファロー(Mia Farrow)さんとアレン氏との間の養女。1992年、彼女が7歳の時にコネチカットの自宅でアレン氏から性的虐待を受けたと告発し、警察の調査が進められていたが、アレン氏は容疑を否認し、起訴は見送られた。
2014年に、ニューヨークタイムズのオプ・エドで、7歳の時に受けた性的虐待に関する書簡を公表。
昨月、ロサンゼルスタイムズのオプ・エドに再び書簡を寄せ、虐待の話しと共に、今もなおアレン氏と仕事を続けるスタジオや俳優を強く非難した。
今年のゴールデングローブ賞の授賞式開催前には、ツイッターでメッセージを連続投稿し、アレン氏を非難。
「どようなプレデター(捕食者)も、「才能」という名のもとに恩恵を受けることは許されない。私の捕食者も、これで終わりとなるのか、授賞式を見るわ。」とメッセージを投稿している。
No predator should be spared by virtue of their “talent” or “creativity” or “genius.” No rock should be left unturned. The principles of the movement need to be applied consistently and without exemption. /5
— Dylan Farrow (@realdylanfarrow) 2018年1月7日
現在32歳のファローさんは、テレビインタビューの中で、なぜこのタイミングでテレビに主演し、告発するのが正しいと思ったのかを語る。
幼少期の性的虐待については、これまでに何度も訴えてきたが、アレン氏は毎回否定し、その度に傷つき、怒りを覚えたという。「私ができることは、真実と希望を話すこと。その望みとは、ただ聞くだけでなく、誰かが私のことを信じてくれるということです。」と述べている。
インタビューは、米「CBS This Morning」で18日(木)東部時間の朝7-9時に放送される。
出演俳優らも次々と批判が上がる
ロサンゼルスタイムズにファローさんの書簡が掲載されて以来、最新作や過去の作品に出演した俳優からの批判や、出演料の寄付が相次いでいる。
ミラ・ソルヴィノ(Mira Sorvino)をはじめ、グレタ・ガーウィグ(Greta Gerwig)、レベッカ・ホール(Rebecca Hall)は、ウディ・アレン作品に出演したことを後悔していると表明。
次回作「A Rainy Day in New York」に出演したレベッカ・ホールは出演料を寄付するとインスタグラムで発表した。
16日、NY出身の若手俳優ティモシー・シャラメ(Timothée Chalamet)は、自身のインスタグラムで、出演作「A Rainy Day〜」の出演料全額を、セクハラ被害を救済する法的基金#TimesUPや、ニューヨークのLGBTセンター、性的被害を受けた人を救済する団体RAINNに寄付することを発表した。
17日には、ウディアレン作品に出演したとことで、多くの批判を浴びていたセレーナ・ゴメス(Selena Gomez)も、出演料をはるかに上回る金額を、#TimesUP基金に寄付すると、People.comが報じた。
一方で、監督を支持する俳優もいる。「ブルージャスミン」(Blue Jasmine)や「ローマでアモーレ」(To Rome With Love)など3作品に出演してきたアレック・ボールドウィン(Alec Baldwin)は、アレン氏はNYとコネチカット州が調査したが、不起訴という結果に終わったとし、「監督と作品を葬りさるのは、不公平で悲しいことだ。」と述べた。また、監督と仕事ができたことは、自身のキャリアの中でも「大変な名誉」と、ツイッターで監督を支持するメッセージを投稿した。
Woody Allen was investigated forensically by two states (NY and CT) and no charges were filed. The renunciation of him and his work, no doubt, has some purpose. But it’s unfair and sad to me. I worked w WA 3 times and it was one of the privileges of my career.
— ABFoundation (@ABFalecbaldwin) 2018年1月16日
今後の作品の公開は?
アレン氏の最新作は、ブルックリンのコニーアイランドで撮影された「ワンダーホイール」(Wonder Wheel)が現在ニューヨークでも公開中となっている。
また、次回作「A Rainy Day in New York」は、アマゾン・スタジオによる製作で、セレーナ・ゴメス、ティモシー・シャラメ、レベッカ・ホールほか、ジュード・ロウ、エル・ファニングが出演している。
今年の後半の公開が予定されているが、今後の行方に注目が集まる。