過去最大?トランプ大統領 一般教書演説の視聴者数を誇張

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かつてリアリティー番組で人気を誇ったトランプ大統領にとって、視聴者数は何よりも大切なものなのかもしれない。

1月30日に行った就任後初の一般教書演説(State of the Union)を終えた大統領は、2月1日にツイッターで視聴者数を史上最大と自慢した。

“一般教書演説に対する数々の賛辞とレビューをありがとう。演説は史上最大の4,560万人が視聴したのだ。Foxニュースは他のいずれのネットワークを初めて打ち負かし、1,170万人が視聴した。心より申し上げる。”

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しかし、各メディアの報道によると、過去最大というのはどうやら事実ではない。
2010年のオバマ大統領初の一般教書演説は4,800万人が視聴しており、ジョージ・W・ブッシュの2002年と2003年の演説の視聴者数は、それぞれ5,180万人、6,210万人と大きく上回る。また、ビル・クリントンの1994の演説は4,580万人、1998年は5,300万人といずれも今回の数を上回る。

また、一般教書演説以外では、トランプ大統領の昨年の合同会議での演説の視聴者数は4,770万人で、自身の最高記録にも満たない。

大統領議会演説のTV視聴者数

テレビだけでなく、ネットの視聴数も考慮に入れなければ正確な比較ができないと思うかもしれないが、トランプ大統領がツイートした数値は、ニールセン(Nielsen)の発表したテレビ視聴者数と一致している。

昨年にも似た出来ごとが

トランプ大統領といえば、大統領就任式の参加人数をメディアが過小に報道したと非難し、ショーン・スパイサー報道官が、記者たちを前に「就任式としては、最大のオーディエンスだった。以上!」と豪語し、世間を驚かせた。

各メディアは、数値を用いて大統領の誇張を報道しているが、ホワイトハウスからすれば今回もオルタナティブファクトということになるのだろうか。