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保守派で富豪のフィランソロピスト、デービッド・コーク氏が死去

保守派の富豪でフィランソロピスト、コーク・インダストリーズ(Koch Industries)の元副社長デービッド・コーク(David Koch)氏がマンハッタンの自宅で死去した。79歳だった。

コーク氏の兄でコーク・インダストリーズの最高経営責任者(CEO)のチャールズ・コーク(Charles Koch)氏が23日、明らかにした。
チャールズ・コーク氏は声明で、「27年前に弟は進行性の前立腺がんにより、余命数年だと宣告された。」と述べ、「デービットは、素晴らしい医師と最先端の治療、自身の不屈の精神のコンビネーションで、がんを退けたと好んで語っていた。」と明かし、「彼の死はあまりに惜しいが、忘れられることはない。」と弔意を述べた。

コーク氏は昨年7月、健康上の理由により、会社経営及び政治活動からの引退を表明していた。

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カンザス州を拠点とするコーク・インダストリーズは、父親のフレッド・コーク(Fred Koch)氏が創業し、1920年から30年代に原油からガソリンを抽出する方法を発明するなどして財を築いた。フレッド氏は、右派団体「John Birch Society」の創設メンバーでもある。
現在同社は、石油精製からブラウニーペーパータオルの製造まで幅広い事業を手がける。年間の売上は約1,100億ドルで、未上場企業としては、米国2番目の規模だという。
コーク氏は1940年5月3日、カンザス州ウィチタ(Wichita)で4人兄弟の三男として生まれた。
フォーブスによると、デービッド・コーク氏は今年の世界長者番付で11位となっており、死亡時の推定資産は505億ドル(約5兆3,200億円)とされている。

保守派に大きな影響力

コーク兄弟は、その財力を用いて政界に影響を及ぼす活動で知られる。自由貿易や自由市場、小さな政府などリバタリアンの経済政策を支持しており、シンクタンクや基金、政治団体に莫大な金額を投資し。「ティーパーティ」(Tea Party)や共和党を下支えした。(ティーパーティの支援については否定している。)またコーク兄弟は、同性愛や売春、薬物使用の非犯罪化も支持している。

兄弟が創設した政治団体「アメリカン・フォー・プロスペリティ」(Americans for Prosperity)は、200万人以上の活動家や700人以上のドナーをネットワークし、彼らの掲げる政策の推進を行ってきた。減税や環境規制の緩和、労働組合の弱体化、不法移民の排除を支持し、銃規制に反対する米国立法交流評議会(American Legislative Exchange Council、ALEC)を支援するなど、民主党支持者らからは非難を浴びている。

2016年の米大統領選挙ではトランプ大統領への支持は表明していなかったが、マイク・ペンス(Mike Pence)副大統領やポンペオ国務長官など現政権の政治家を支援していた。

フォランソロピストとして多額の寄付

ニューヨーク在住のコーク氏は、フィランソロピストとして、大学や医療、アートの分野に多額の寄付を行ってきた。
「メモリアル・スローン・ケタリング・がんセンター」(Memorial Sloan Kettering Cancer Center)に1億5,000万ドルの寄付したほか、2008年にリンカーン・センター(Lincoln Center)に1億ドルの寄付を行っている。現在同建物には、コーク氏の名前が付けられている。
またアメリカ自然史博物館や、メトロポリタン美術館にも寄付を行っている。
コーク・インダストリーズは昨年、コーク氏による慈善団体への寄付金額は13億ドル(1,370億円)を超えたと発表した。

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