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マルコムX暗殺事件 潜入捜査官が残した手紙はフェイク?

黒人運動指導者マルコムX(Malcolm X)暗殺事件に関し、潜入捜査官だった故レイモンド・ウッド(Raymond Wood)氏の娘、ケリー・ウッド氏はNY1に、父親が残したとされる手紙はフェイクだと話した。

先週、レイモンド・ウッド氏の従兄弟のレジー・ウッド氏は、弁護士らとともに会見を開き、ウッド氏が生前に記したとする手紙を公表した。弁護士のベン・クランプ氏は、手紙は、マルコムX氏の暗殺事件へのニューヨーク市警察とFBIの関与を示す証拠だと主張。会見で手紙を受け取ったマルコムX氏の遺族は、暗殺事件の徹底した再捜査を呼びかけた。

ケリー氏は、手紙はレジー氏が、自分と執筆中の本に注目を集めるためにでっち上げたものだと説明。「この手紙が私の父親が書いたものでないことを知っている」と述べ、「あれは父親の署名ではないし、郵送されたことをなんとか正当化するために使った封筒だって、フェイクだとわかっている」と語った。

手紙には、ウッド氏が、暗殺事件の直前、マルコムX氏の警護隊員の逮捕に関与したと告白しているほか、殺人罪に問われたトーマス・ジョンソン氏(2009年に死亡)の有罪判決は誤りだと記されている。

レジー氏は会見で「今になって思えば、我が黒人市民の前進にとって悪く、有害な活動に参加してしまった。ニューヨーク市警察における私の行動は、強要と恐怖によって行われた」と手紙を読み上げた。

ウッド氏が、生前の公開を控えるよう希望したという点についても、ケリー氏は「私の父親は臆病者ではない。死後に自分に代わって話すことなど、決して人に頼んだりしない」と否定。「何か言うことがあれば、生きている間に言う」と述べ、手紙は「中傷行為」で、父親の名声を汚すものだと批判した。

ウッド氏は昨年11月、87歳で死亡した。ニューヨーク市警察には21年間勤め、退職時は巡査部長だったという。

会見後、ニューヨーク市警察は声明で「マンハッタン地区検事局が数カ月前に、マルコムX氏の殺害をめぐる2件の有罪判決に関する捜査と訴追について審査を開始している」と発表。「NYPDは事件に関連する入手可能なすべての記録を地検に提出した。いかなる点からも審査に協力することを約束する」と述べている。

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