グッチと伝説の仕立て屋ダッパーダンがコラボ。ハーレムにアトリエをオープン

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ダッパーダン グッチ
(C)DapperDan

ハーレムのカルトな人気を誇る仕立て屋、ダッパーダン(Dapper Dan)こと、ダニエル・ディ(Daniel Day)氏が、イタリアのラグジュアリーブランド、グッチ(Gucci)とコラボレーションし、ハーレムのアトリエをオープンすることとなった。

ダン氏は、「ハーレム史上初の大手ラグジュアリーブランド店がオープンした。」と、ビル屋上の看板の写真とともにツイートした。

4階建てのブラウンストーンのアトリエ(住所:43 East 125th Street)では、オーダメイド服と限定アイテム、アクセサリー類が購入できる。グッチがスポンサーしており、同社は生地や刺繍の入ったパッチなどの素材を提供するという。店は、アポイントメント制となっている。

伝説の仕立て屋ダッパー・ダン

ダン氏は1982年にハーレムでブティックをオープン。グッチ、ルイ・ヴィトン、フェンディーなどの生地を使って、よりオリジナル性の高い洋服に仕立あげる、イミテーションアーティストとして名を馳せたテイラー。マイク・タイソンや、ヒップホップMCのLL・クール・J、ラッパーのエリック・B、ラキムなどを顧客に持ち、ハーレムで最もホットな店の一つとなった。
最初はブランド品の再利用を中心に仕立を行っていたが、そのうち自らブランドロゴをスクリーンプリントするようになり、レーベルから訴えられることもあったという。10年後の1992年には店舗をクローズしている。

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店舗再開の発端は、グッチとのコピーライト紛争

今回コラボレーションのきっかけとなったのは、昨年5月にグッチのクリエイティブディレクターを務めるアレッサンドロ・ミケーレ(Alessandro Michele)氏がイタリアのクルーズコレクションで披露した、Gモノグラム柄のバルーンスリーブのファージャケット。

このデザインは、1989年にオリンピックメダリストのダイアン・ディクソン氏(Diane Dixon)氏のためにダン氏がデザインしたものと酷似していると非難の声が上がった。

ディクソン氏は、2者の洋服を比較した写真をインスタグラムに投稿した。

この2つの洋服の類似性について、Teen VogueやViceなどのメディアで「ブランドがカルチャーを損ねた」非難され、大きな話題となる。

グッチは、これについて争いはせず、ルックNo. 33は、彼への敬意を示したものと発表。
声明で「2018年のクルーズコレクション”ニュールネサンス”は、多くの異なる時代にまたがり、再生の時期を参照にした。」とし、パフスリーブのボンバージャケットは、1980年代の有名なハーレムのテイラー、ダニエル・”ダッパー・ダン”・ディの作品に敬意を示し、その時代のハーレムのカルチャーを祝福するものだ。」と声明で述べた。同ブランドは、ダン氏に対しミケーレ氏がコラボレーションに興味を示していることを伝えようとしたが、コンタクトできていないとしていた。

9月に、グッチはダン氏とパートナーシップを締結し、2017年末にハーレムでテイラーショップをオープンすると発表。また、2018年の春に全世界のグッチ店で、ダッパー・ダンとのカプセルコレクションを販売することも明らかにした。

ダン氏は「アレッサンドロと私はパラレルユニバースの一部だ。」とし、「彼の行為の結果として起こった奇跡は、2人のパラレルユニバースが重なり合うことをもたらしたのです。お互いコンタクトを取り、率直に話し合うことで、私たちは育った環境や、経験したことが、非常に似ていることや、彼がどう私に影響を受けたのかを知ることができた。」とNYタイムズに対して、デザイナーの印象を語っている。

Dapper Dan

43 E 125th St, New York, NY 10035 地図
dapperdanofharlem.com