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ニューヨークの街を歩くなら「軍隊」を、クオモ知事 トランプ氏に忠告

アンドリュー・クオモ州知事は2日、トランプ大統領がニューヨーク市への資金配分の削減を検討しているとの報道を受け、ニューヨークの街を歩くつもりなら、自衛のために「軍隊を伴った方が良い」と述べるなど、不快感を表した。CBSニュースが伝えた。

クオモ氏は電話会見で「ニューヨーク市にとって、史上最悪の大統領」と述べ、「当選以来、進んでニューヨーク市を殺そうとしている」と非難。

ニューヨーク市を標的とした政策は「彼がニューヨーク市出身で、ニューヨーク市が常に彼を拒絶してきたからだ」と、個人的恨みが背景にあると主張した。「ニューヨークで彼はいつも愚か者として片付けられていた。彼をよく知る人ほど、彼のことが好きではない。ニューヨークではこれは本当のことだ。」と語った。

会見前、トランプ氏が各行政機関に、ニューヨーク市やシアトル、ポートランド、ワシントンD.Cへの資金配分の削減を検討するよう書面で求めたことが報じられた。トランプ氏は書面で、これらの都市を「アナーキストの管轄区」と呼び、「わが政権は、連邦税が、無法地帯へと悪化することに甘んじている都市の資金となることを容認しない」と述べた。

クオモ氏はこれに対して、予算に関する大統領の法的制限を指摘しつつ、かつての故郷に来る際は用心した方が良いと忠告した。

「彼はニューヨークに帰ってこれない」と述べ、「彼はニューヨークを歩くつもりか?ボディガードのことは忘れなさい。ニューヨークの街を歩くつもりなら、軍隊を伴ったほうが良い」と語った。

クオモ氏の厳しい発言ついて、クオモ氏のシニア・アドバイザーのRich Azzopardi氏は会見後、「彼が意味するところは、トランプがペルソナ・ノン・グラータ(ニューヨークにとって好ましくない人物)であるということだ」とフォローした。

ビル・デブラシオ市長も翌日の会見で、「合衆国大統領は、都市と州に対する連邦政府の資金配分に干渉することはできない」と指摘。「この危機の中で、ニューヨーク市を前進させる資金の提供を拒否することに固執するならば、裁判所で会おう。我々は再びあなたを打ち負かすだろう。」と語った。

トランプ氏は、クオモ氏と同じくニューヨークのクイーンズ生まれ、クイーンズ育ち。人生の大半をニューヨーク市で過ごしてきたが、2016年の選挙では、市全体で獲得した票は19%で、マンハッタンでは10%に及ばなかった。なおトランプ氏は昨年9月、別荘のあるフロリダに主たる居住地を変更している。

2人の舌戦は翌日まで続いた。

トランプ氏が「彼の操り人形のニューヨークの検事」に、コロナウイルスの老人ホームの死亡について捜査をさせるべきだとツイートすると、クオモ氏は会見で「私が検事を任命しているのではない」と反論。「大統領が検事を任命しており、彼はウィリアム・バーを任命した」と述べ、「ウィリアム・バーが彼の操り人形だ。」と述べた。

クオモ氏は、パンデミック中に定めた老人ホームのコロナ患者の受け入れルールが、多くの死を招いたとして批判にさらされている。

一方、トランプ氏については、マンハッタン地区検察局が、トランプ氏とトランプ・オーガニゼーションを銀行詐欺などの疑いで捜査をしていることが、裁判所の資料から明らかになっている。

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