ニューヨーク州議会、クオモ知事の災害時の緊急権限を剥奪へ

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ニューヨーク州議会両院は5日、災害緊急事態の対応としてクオモ氏に付与された緊急権限を終了させる法案を、賛成多数で可決した。

昨年3月に成立した法律は「州知事が、行政命令によって、災害緊急事態の対応に必要となる、いかなる指令を発行することを許可する」と説明している。クオモ氏は権限を利用して、最初の6カ月間で65件(現時点で96件)の行政命令を発令。250以上の法律を一時的に停止した。同法の有効期限は4月30日となっていた。

州議会は年初より権限の制限に関する協議を行っていた。ニューヨークポスト紙が老人ホームの死亡者数の隠蔽疑惑を報じた後、権限を剥奪すべきとの声がさらに高まっていた。疑惑を受け、州保健委員会の委員長グスタボ・リベラ(Gustavo Rivera)州上院議員(民主党)は、すぐにでも協議を再開し、行動を起こすべきだと主張していた。

州上院トップのアンドレア・スチュワート・カズンズ(Andrea Stewart-Cousins)議員(民主党)は、声明で「(災害時の)迅速な対応は必要だが、われわれは(州政府の)監督と評価を強化するための制度に移行したい。州民にとって、抑制と均衡が必要だ」と述べた。

法案の内容は両院ともに同一で、上院を43-20で通過。党派に沿う結果となった。その後下院でも107-43の賛成多数で可決した。共和党議員らは、法案はクオモ氏の権力を抑制することはできないとして反対を示した。
ニューヨークポスト紙によると、クオモ知事は法案に署名する意向を示しており、来週水曜日に成立する見通し。

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法案成立後、現在の行政命令は30日間有効となるが、クオモ氏は議会の承認なく、新たな行政命令を発令することができなくなる。一方で、既存の命令は延長することができる。

高齢者施設の死者数に新疑惑

ウォールストリートジャーナルとニューヨークタイムズは4日、クオモ政権の老人ホームの死者数に関する新たな疑惑を報じた
州保健局が7月に発表した報告書に関して、クオモ知事の側近の働きかけにより、高齢者施設における新型コロナウイルスの被害に関する保健局の報告書から、総死者数が取り除かれていたことが分かった。

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