トランプ氏「NY州にすぐにワクチン配布しない」クオモ氏反撃「脱税捜査があるからだ」

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トランプ大統領は13日、ホワイトハウスのローズガーデンで開いた会見で、新型コロナウイルスのワクチンと治療薬に関する承認や配布の見通しを語った。

トランプ氏はファイザーのワクチンについて、非常に早く承認されるだろうと述べ、フロントラインワーカーと高齢者に「数週間」で配布すると述べた。すべての一般市民に4月にも配布されると述べつつ、「政治的理由で、時間が必要だと主張する州知事のいるニューヨークのような地域は例外」だと語った。

クオモ知事は先月、FDAの承認プロセスは「信頼できない」と主張。ニューヨーク州では、医師のグループや医療専門家にワクチンを審査させるとし、安全性と信頼性が確認された後に配布すると語っていた。

トランプ氏は続けて「クオモは、準備ができたらわれわれに告げなければならないだろう。そうしなければ、われわれは、人々にすぐに与えないような州に配布することはできないのだから」と語った。また「彼はワクチンどこから来るのか信用していないのだ。これらは世界で最高の企業、最高の研究所のものだ。しかし、それがこの政権であるという事実を信頼していない。だからわれわれは承認を得るまで、ニューヨークに配布はしない」と語った。

トランプ氏は、選挙については語らず、質問も受け付けなかった。

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同日、MSNBCのインタビューに答えたクオモ知事は、「大統領の言ったことはどれも真実ではない。驚きだ」と反論。「人々がワクチンの企業を信頼していないのではない」と述べ、「圧倒的な割合の米国民が、大統領による、ワクチンの承認プロセスへの政治的な干渉を心配しているのだ。米国民は大統領よりも製薬企業を信頼している」と語った。

9月下旬に実施されたピューリサーチの世論調査では、米国の成人の49%は、ワクチンがすぐに入手できる場合でも、接種しないと回答。5月の調査より30ポイント以上上昇している。

クオモ氏は「だからニューヨークを含む多くの州が、人々がワクチンを受け入れるよう、独自のパネルを設けて信頼を築こうとしているのだ」と述べ、ニューヨーク州では、ノーベル賞受賞者がFDAのプロセスを審査すると語った。

トランプ氏がニューヨーク州を名指ししたことについて、クオモ氏は「進行中の問題があるからだ」と述べ、「大統領はニューヨークの選挙で大差で負けている。大統領を脱税の容疑で捜査しているニューヨークの検察官がいる」と語った。

ニューヨーク州のレティシア・ジェームズ司法長官も声明を発表。トランプ氏の発表は「レームダック状態の大統領による報復的な振る舞いにほかならない」と述べつつ、「完全なワクチンが開発されたら、バイデン-ハリス政権がニューヨークに適切な量を提供することを確信している」と主張。トランプ氏の就任中にワクチンが配布され、「大統領が人々の命をもてあそぶのなら、われわれは訴訟を起こし、勝利する」と述べた。