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「テレビを消して仕事を」クオモNY州知事 トランプ氏を批判

ニューヨーク州のアンドリュー・クオモ知事は17日の記者会見で、15分以上にわたってトランプ大統領を批判した。

きっかけとなったのは会見中にトランプ氏が投稿したツイート。経済再開に向け、大規模な検査や州の財政安定化のために、政府による追加の経済支援を求めるクオモ氏に対し、トランプ氏は「クオモ知事は不満を言う時間を減らして、行動にもっと時間を割くべきだ。しゃべるのはやめろ!」とツイート。「使う必要のなかった数千床をこしらえ、あなたが用意するべき大量の人工呼吸器と、あなたが実施するべき検査を提供したではないか」と述べ、「今まで、すばらしい仕事をした人々に対する感謝の言葉もない。あなたの試算は良くない」と非難した。

会見中、記者からトランプ氏のツイートを知らされたクオモ氏は、「よし、それに応えよう。最初に、彼が家で座ってテレビを見ているなら、立ち上がって仕事にいくべきだ。そうだろ?」と一言。続けて「次に、できるならば、感情と政治、個人的なエゴを排除しようじゃないか。これは人々に関わることで、仕事に関わることだ。これにフォーカスしようじゃないか」と語った。

クオモ氏は、政府に要求した病床や個人保護具(PPE)、人工呼吸器の数は、ホワイトハウスの予測を元にしたものだと述べ、トランプ氏は政府のコロナ対策チームや疾病対策センターのレポートを読むべきだと主張。「これらはあなたの予測だ。大統領。われわれがその予測に頼るのが馬鹿げているのか?」と反論した。

政府は、感染被害が甚大なニューヨーク州および市の支援のため、人工呼吸器やPPEの提供に加え、陸軍工兵隊と州兵を動員し、マンハッタンにある大型のコンベンションセンター(ジャビッツセンター)に2,500床の臨時病院を設置したほか、1,000床を備える海軍病院船「コンフォート」を派遣した。4月上旬から患者の受け入れを開始しているが、14日時点の患者数は、ジャビッツセンター347人、コンフォート69人と報じられている。

ジャビッツセンターに設けられた臨時病院 ©mashupNY

施設や設備に余裕ができたことについてクオモ氏は、国民が団結して感染拡大を止めようとしたからだと説明。「あなたの予測に頼って誰かが間違いを犯したと言ってはならない」と語った。

また「わたしは何をしたらいいのか?花束でも送れというのか」と大統領の要求が把握できないと主張。「ジャビッツではとても助かった。海軍病院船コンフォートの設置でとても役に立ってくれた。中国に介入し、PPEを調達するのをとても支援してくれた。人工呼吸器を探すのをとても助けてくれた。ありがとう、ありがとう、ありがとう、私は何度も礼を言った。」と述べ、「今は、我々はまだ真っ只中で、先に進む時だ」と語った。

さらに「ありがとうって言ってほしいのでしょうか?あなたの仕事をしていただいてありがとうございます。」と述べ、「国家の危機に際し、政府の責任の一部に加わっていただいてありがとうございます。政府の緊急事態を宣言したのだから、国家の危機であることはおわかりでしょう」と加えた。

経済再開のための大規模な検査の実施について、トランプ氏が「複雑で難しすぎるから、巻き込まれたくない」と支援に繰り返し否定的な発言をしていると述べ、「それが複雑で難しいことはわかっている。だからあなたの助けが必要なのだ。国際的なサプライチェーンについてわたしができることはない」と、政府の役割を果たすよう呼びかけた。

トランプ氏が経済再開を州の裁量に任せる姿勢を示したことについて「とても見事な方向転換」と形容しつつ「これは常に州に任されるものだ。あなたが私に与えようとしているものは、あなたが生まれる前に憲法が私にあたえているものだ。それが修正第10条というものだ….州の権限について私に教えてくれる大統領は必要ない」と皮肉を述べた。

州の再開について、政府に絶対的な権限があると主張していたトランプ氏は姿勢を一転。16日に経済再開に関するガイドラインを発表した際、再開方法や時期について州に権限があると述べた。

クオモ氏は「彼がやることはパレードの前を歩くことだけで、パレードの時期については関係ない」と語った。

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