NY州新型コロナ感染者数3.7万人超。死者急増。さらなる病院設置を発表

99

ニューヨーク州のアンドリュー・クオモ(Andrew Cuomo)知事は26日の会見で、州内の新型コロナウイルスの感染者が3万7,000人を超えたと発表。死者は昨日より100人以上増え、385人となった。

発表によると、26日時点の感染者は37,258人で、昨日より6,448人増加した。入院者数は昨日より40%近く増加し、5,327人(+1,522)、集中治療室(ICU)の患者数は昨日より45%増加し、1290人(+402)となった。これまでに1,517人が退院した。

感染者の主な内訳は、ニューヨーク市が21,393人(+3,537)、ウエストチェスター郡5,944人(+1,253)、ナッソー郡3,914人(+629)、サフォーク郡3,914人(+629)、ロックランド郡1,197人(+229)、オレンジ郡751人(+113)、ダッチェス郡190人(+37)、オールバニー郡171人(+19)、モンロー郡139人(+21)エリー郡134人(+12)、その他となっている。

死者数の増加に関してクオモ知事は、高齢で弱った患者は、人工呼吸器を20日から30日間必要とする。長期間呼吸器を使用した人ほど、回復する見込みが少なくなり、死亡率は高くなると述べた。時間の経過につれ、死亡者が増加するのは、長期間、人工呼吸器を装着していた人々が回復しないためだと説明した。

1,000床以上の病院の設置へ

クオモ氏は、政府のコロナ対策チームのアンソニー・ファウチ博士に対し、頻繁に相談を行っているが、現実的には、増加曲線の速度を緩和するのは難しい状況だと述べた。病院の限界を超えないよう、何としても病床数を確保することが重要だと語った。

Advertisement

現在必要なベッド数は14万床で、ジャビッツセンターや、ストーニーブルック、オールドウエストバリー、ウエストチェスターコンベンションセンターの仮設病院に加え、新たな場所を探していると明かした。

これまでに既存の病院の病床数を50%から100%に拡大し、寮やホテルを臨時病院として活用する計画を明かにしている。
クオモ氏はさらに、1,000人以上を収容できる施設を、感染者の多いニューヨーク市の5行政地区、ナッソー、サフォーク、ウエストチェスター、ロックランドで探していると発表した。

最も必要とされる人工呼吸器に関して、コロナウイルスは呼吸器疾患のため、患者は、他の病気よりもより長い期間、呼吸器を使用すると説明。(通常3から4日に比べ、新型コロナの場合は11日から21日間)
州は今後、人工呼吸器3万台を確保する必要があるとしている。クオモ氏は、州は1台の呼吸器を2人の患者で使用することを承認したと述べた。さらに数千台ある麻酔器を、人工呼吸器に変換する試みを行っていると明かした。

医療従事者に関して、これまでに4万人が協力を申し出たが、さらに昨日は1日で1万2,000人からの応募があったと発表。メンタルヘルスのホットライン開設を発表したところ、さらに2,500人以上の専門家が支援を申し出たことを明かにした。クオモ氏は、自分はニューヨーク出身だが、全国や世界の人々から多くの支援や創造的なアイデアが寄せられたとして、感謝を述べた。

経済対策法案を批判

州の財政について、企業閉鎖や失業による歳入の減少は100億ドル(約1兆900億円)から150億ドル(約1兆6,350億円)になると見通しを述べた。クオモ氏は、前日に上院を通過した2兆ドル規模の経済対策法案に言及し、ニューヨーク州には、コロナウイルスの支出として50億ドルしか割り当てられないのは、不十分だと批判した

クオモ氏は自身の意見として、状況は非常に厳しいものだとし、「皆が家でこの状況にうんざりしていることは知っているが、これは短距離走ではなく、マラソンだ。」と長期戦になると強調した。
「私も疲れているが、ファーストレスポンダーや警察官、消防士、食料品や薬局の人々、運送業者、バスの運転手などのことを思うと、疲れたと言うのは贅沢だ。医療従事者は休むことなく、彼らでさえ把握できない状況に取り組んでいる。彼らが英雄的な活動を行っているのに、疲れたと不平を言っているのは誰ですか?」と市民への協力を呼びかけた。また、戦争や招集されるなど国家危機を体験したことのない若い世代に対し、この経験を通じて、彼らがより善良な市民になってくれることを望むと語った。


  • ニューヨーク州 コロナウイルス ホットライン(1-888-364-3065)
  • ニューヨーク州 メンタルヘルス ホットライン(1-844-863-9314)
  • ニューヨーク州 新型コロナウイルス 関連情報
  • ニューヨーク市 新型コロナウイルス 問い合わせ先(311)
  • 保健当局は、咳や熱、息切れなどの症状がある場合は、直接医療機関やERに出向かないこと。自宅で待機し、事前に電話で症状について相談するよう呼びかけている。
  • 在ニューヨーク日本国総領事館 新型コロナウイルス関連情報 (電話:212-371-8222)