ニューヨーク州のアンドリュー・クオモ(Andrew Cuomo)知事は25日で会見を開き、州内の感染者が3万人を超えたと発表した。
発表によると、25日時点の感染者は30,811人で、昨日より5,146人増加した。死者数は285人(+75人)。
入院者数は昨日より571人増え、3,805人(入院率は12%)、集中治療室(ICU)の患者数は昨日より132人増え、888人(感染者数の3%)。
これまでに91,270人(+12,906人)が検査を行った。
感染者の主な内訳は、ニューヨーク市が17,856人(+2,952)、ウエストチェスター郡4,691人(+800)、ナッソー郡3,285人(+416)、サフォーク郡2,260人(+416)、ロックランド郡968人(+297)、オレンジ郡638人(+140)、ダッチェス郡153人(+29)、オールバニー郡152人(+6)、エリー郡122人(+15)、モンロー郡118人(+22)その他となっている。
クラスター感染が起きたウエストチェスター郡に関して、クオモ知事は「学校閉鎖や、集会の禁止、検査の実施により、感染者の増加を劇的に遅らせることができた。」と成果を述べた。
人口の密集削減と感染速度の緩和
入院率に関して、全体的に予測したモデルよりも早い速度で上昇していることを明らかにした。
感染拡大のスピードを緩和する取り組みを強化するとして、最も人口が密集するニューヨーク市に対し、公園の使用や、若者の行動への対応を求めると述べた。
プレイグラウンドにおける社会的距離戦略(ソーシャル・デンシティー)に関する規定の制定を検討しており、バスケットボールなど体を密接させるスポーツを自発的に止めないのであれば、プレイグラウンドを閉鎖すると警告した。
また、現在ニューヨーク市では交通量がはるかに減少しているため、道路を閉鎖し、歩行者に解放する試験プログラムを実施する予定だとと明らかにした。
推定入院率に関して、日曜日の時点では、2日ごとに2倍増となっていたが、昨日の推定では4.7日ごとに2倍にに下がったという。結論を出すには早急だとしつつ、人口の密集と感染速度の緩和に関して、推定入院率の減少など効果が見られると述べた。
病床数の拡大と人工呼吸器の調達
感染増加率のピークは21日以内だとして、病床数の拡大を急ぐと発表。必要とされる14万床の確保に取り組んでいると語った。
既存の病院について、50%の病床数増加は義務だが、100%のゴールを目指すとした。
さらに州内の大学の全ての寮を使用する場合、合計11万9,000床が確保できると公表。必要な14万床には、まだ十分ではないとして、ホテルの使用を検討していることを明かした。
マスクやガウンなど個人防護具(PPE)については、現時点では十分な量が配布されていると発表。今後必要となるPPEについては、引き続き調達を継続すると述べた。
医療スタッフに関しては、約4万人の医療専門家(うち半数が看護師)が支援を申し出たと発表した。
人工呼吸器に関して、州政府が自力で調達した7,000台に加え、連邦政府から4,000台が送付されると発表。合計4万台が必要としており、不足を補うために、2人の患者で1台を共有する方法を試験的に実施していると述べた。
トランプ大統領やペンス副大統領、クシュナー大統領上級顧問らに対し、国防生産法にもとづき、人工呼吸器の生産を企業に指示するよう求めたと述べた。「タイムラインが21日間という非常に困難な問題だが、彼らは非常に協力的である。」と感触を語っている。
米上院の与野党リーダーとトランプ政権が合意に達した、2兆ドル規模の新型コロナ景気対策に関して、クオモ知事は「ひどい内容」と批判。
成立した場合、ニューヨーク州は36億ドル、ニューヨーク市に13億ドルが配分されるが、「我々のウイルス感染対策の予算不足を埋めるには十分な金額ではない。」と語った。
メンタルヘルスホットライン開設
メンタルヘルスの相談に関して、ホットライン(1-844-863-9314)を開設したと発表。州の呼びかけに対し、6,175人の専門家がボランティアで登録を行ったと述べた。希望者は、無料でメンタルヘルスサービスを利用することができる。
- ニューヨーク州 コロナウイルス ホットライン(1-888-364-3065)
- ニューヨーク州 メンタルヘルス ホットライン(1-844-863-9314)
- ニューヨーク州 新型コロナウイルス 関連情報
- ニューヨーク市 新型コロナウイルス 問い合わせ先(311)
- 保健当局は、咳や熱、息切れなどの症状がある場合は、直接医療機関やERに出向かないこと。自宅で待機し、事前に電話で症状について相談するよう呼びかけている。
- 在ニューヨーク日本国総領事館 新型コロナウイルス関連情報 (電話:212-371-8222)