ニューヨーク州 新型コロナ感染者2万人超。全世界の6%に

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ニューヨーク州のアンドリュー・クオモ(Andrew Cuomo)知事は23日の会見で、州内の感染者が2万を超えたと発表した。

州内感染者数 世界の6%に

発表によると、23日時点の州内の感染者は20,875人で、昨日より5,707人増加した。死者数は157人(+43)、入院者数は昨日よ661人増え、2,635人(入院率13%)、集中治療室(ICU)の患者数は621人(入院者数の24%)。ジョンズ・ホプキンス大学によると、全世界の感染者数は34万9,211人で、ニューヨーク州の感染者は全世界の約6%に達した。

感染者の主な内訳は、ニューヨーク市が12,305人(+3,260)、ウエストチェスター郡2,894人(+1,021)、ナッソー郡2,442人(+542)、サフォーク郡1,458人(+424)、ロックランド郡592人(+137)、オレンジ郡389人(+142)、オールバニー郡127人(+4)、ダッチェス郡100人(+18)、エリー郡87人(+33)モンロー郡76人(+19)となっている。

前日には16,739人が検査を行い、これまでに現在全米で最も多い78,289人が検査を行っている。

医療機関に病床数増加を命令

クオモ知事は患者数の増加に対応するため、各病院の病床数を最低50%拡大するよう義務付けると発表した。
さらに医療関係者の増員が急務だとして、行政命令によって看護師を募集すると述べた。なお、医療従事者の募集に関するこれまでの呼びかけに対して、約3万人の反応があったと明かした。

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医療用品に関しては、各自治体にマスクやガウンなど個人用保護具(PPE)を配布すると発表。不足が深刻化するニューヨーク市に対しては、N95マスクを16万9,000枚、手術用マスク43万枚、手袋17万6,000枚、ガウン7万2,000着、フェイスカバー9万8,000点を送付する。

医療品について、各州からの需要増によるマスクなどの価格高騰を指摘。改めて連邦政府に対し、国防生産法(Defense Production Act)に基づく対応を要請した。
連邦緊急事態管理局(FEMA)による災害救援に関しては、連邦政府が全額負担すると発表した。通常緊急対応にかかる公的および個人支援費用の25%が州の負担となるが、トランプ大統領は昨日の会見で、州の負担を免除すると述べていた。

さらに、食品医薬品局(FDA)から承認を得たとして、抗マラリア薬のヒドロキシクロロキン(Hydroxychloroquine)とジスロマック(Zithromax)を使用した実験的抗体療法に関して、臨床試験を明日から開始すると発表した。

米陸軍工兵隊(COE)の協力の元、ジャビッツセンターや、SUNYストーニーブルック(SUNY Stony Brook)、SUNYオールドウエストベリー(Old Westbury)ウエストチェスターコンベンションセンター(Westchester Convention Center)の4カ所に各250床の仮設病院を建設すると発表している。

ニューヨーク市の密度削減計画

クオモ知事はニューヨーク市での社会距離戦略(ソーシャル・ディスタンシング)のルールが守られていないとして、市長と市議会議長に対し、公園や歩行道路における密度の削減計画を求めた。

経済再開計画に着手

ニューヨーク州では昨日から、非必須事業以外の企業について、すべての従業員の在宅勤務が義務付けられた。クオモ知事は、対策の責任はすべて自分にあると強調。一方で「経済は永久に停止させることはできない。経済的機能の回復について計画を始める必要がある。」と、感染拡大防止と並行して、再開計画の作成に取り組む意向を示した。


  • ニューヨーク州 コロナウイルス ホットライン(1-888-364-3065)
  • ニューヨーク州 新型コロナウイルス 関連情報
  • ニューヨーク市 新型コロナウイルス 問い合わせ先(311)
  • 保健当局は、咳や熱、息切れなどの症状がある場合は、直接医療機関やERに出向かないこと。自宅で待機し、事前に電話で症状について相談するよう呼びかけている。
  • 在ニューヨーク日本国総領事館 新型コロナウイルス関連情報 (電話:212-371-8222)