ニューヨーク州のアンドリュー・クオモ(Andrew Cuomo)知事は10日の会見で、新型ウイルスの感染拡大が始まって以来、初めて集中治療室の患者数が減少したと発表した。
- ニューヨーク州の感染者数 170,512人(+10,575)
- ニューヨーク市の感染者数 92,384人(+5,356)
- 入院者数 18,569人(+290)
- ICU患者数 4,908人(-17)
- 死者数 7,844人(+777)
ICUの患者は過去24時間で17人減少し、4,925人から4,908人となった。3日間の平均増加数も低下した。1週間前には、毎日300人のペースで増加していた。
1日の死亡者数は777人だった。1日の死者が最も多かった昨日よりも22人減少したが、4日連続で700人を上回り、合計数は7,844人に達した。
クオモ氏は「全体的に曲線が平たんになっている」と、感染増加のペースが一定になっているとの見方を示した。一方で、複数の予測モデルに基づく感染ピーク時の患者数は、州の病院の対応能力を超えることを示していると警告。「今日の行いが、2から3日後の感染率を決定する」と述べ、引き続きソーシャル・ディスタンス(社会的距離)を徹底することを求めた。
抗体検査に関する政府介入を要求
経済再開について、ウイルスの抗体検査の大量実施の重要性を改めて主張。州の研究所では今後数週間で1日あたり2,000件の検査が可能になると述べた。一方で「2,000件では焼け石に水」と語り、国防生産法に基づく政府の介入が必要との考えを示した。また検査に関し、ニュージャージー州とコネチカット州が「連合に参加する」と述べ、近隣州と協調する意向を表明した。
先月成立した2.2兆ドルの新型コロナ経済対策はニューヨークに不公平だとの主張を繰り返し、政府による追加の経済対策が必要だと述べた。
再開にあたり、他国の取り組み状況について研究することの重要性を強調。イタリアでは再び感染増加のペースが加速していることや、香港やシンガポール2回目の感染の波が押し寄せていることに触れ、「われわれは再開を始めなければならない。われわれより先にいる国を注視しよなければならない。何をしたのか、何がうまくいったのか、うまくいかなかったのかを見よう。」と語った。
このほか、Airbnbやホテルなどの民間事業者と協力して医療従事者に無償で住宅を提供することや、低所得者向けの食料補助制度のフードスタンプ(SNAP)を受ける70万以上の家庭を支援するため、緊急食料援助に2億ドルを拠出すると発表。さらに、政府による医療従事者に対する補償基金の設立に向け、代議員と協力していると明かした。
クオモ氏は会見の最後、Resonant Picturesと製作したビデオ、The Fray(ザ・フレイ)の「How to Save a Life」を公開した。学校閉鎖や在宅勤務を命じる「PAUSE」のもと、自宅待機生活を送るニューヨーカーの姿がつづられている。