「ホワイトウォッシング」と非難、クレオパトラ役に『ワンダーウーマン』のガル・ガドット抜擢

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国際ガールズデーの11日、映画『ワンダーウーマン』の主演女優ガル・ガドットが、クレオパトラの伝記映画に出演すると発表した。

『ワンダーウーマン』でタッグを組んだパティ・ジェンキンスが監督を務め、レータ・カログリディが脚本を手掛ける。
ガドットは、自身のツイッターを更新し、キャスト・スタッフともに「初めて女性の視点で描かれる作品」と述べ、「目にしたことのないクレオパトラの姿を、大スクリーンで披露する」と意気込みを語った。

「ホワイトウォッシング」と非難

イスラエル出身の白人女優がエジプトの女王を演じることに、ネットでは非難の声が上がった。

ジャーナリストSameera Khan氏は「どこのハリウッドのバカ者が、ナディーン・ナジームのような素晴らしいアラブ系の女優を差し置いて、クレオパトラ役に(つまらない見た目の)イスラエルの女優をキャスティングするのがいいアイデアだと思ったのか?ガル・ガドット、恥を知りなさい。あなたの国はアラブ系の土地を奪い、映画の役も奪おうとしている」と非難。

続けて、「『キング・オブ・エジプト』で白人の俳優が神話上のエジプトの神を演じたとき、白人のリベラル派は発狂した。でもヨーロッパ系の白人でイスラエルの女優がクレオパトラを演じることは、見て見ぬ振り?」と矛盾を指摘した。

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このほかネットでは「ソフィア・ブテラのような、北アフリカの血を引く俳優を起用してはどうか。白人の俳優でイスラエル人が、ファラオやアラブ人の役を演じるのにうんざり。まさに無礼!」

「ガドットは、クレオパトラとしてきっと素晴らしい仕事をするだろう。しかし、個人的には、ブラウンのペーパーバッグよりもダークカラーの肌のクレオパトラが好きだ。歴史的にはその方がより正しいと思える」など反対する声が相次いだ。

1963年公開の映画『クレオパトラ』では、ジョゼフ・L・マンキーウィッツ監督が、エリザベス・テイラーをクレオパトラ役に起用している。

アフリカを専門とする放送作家、James Hall氏は「ハリウッドは、常に白人のアメリカ人女優をナイルの女王に起用してきた。アフリカ系の女優を見つけることはできないのか?」と疑問を呈した。

一方で、ガドットのキャスティングを擁護するユーザーも。「確かにクレオパトラはエジプトの支配者であったが、本人は古代ペルシア人とシリア人の祖先を持つギリシャ人だ。配役に否定的な反応を示している人々は、教養がなく無知なだけだ。ガル・ガドットはこの役にふさわしい」と述べた。

クレオパトラは、古代エジプトプトレマイオス朝の子孫で、紀元前69年にアレクサンドリアで生まれた。

脚本を手掛けるカログリディス氏はツイッターで、「(クレオパトラは)私の大好きなプトレマイオス朝のファラオ。間違いなく、歴史上最も有名なマケドニア系ギリシャ人女性だ」と投稿している。