NY市 観光復活に向け、3000万ドルの広告キャンペーン

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ニューヨーク市のデブラシオ市長は21日の記者会見で、観光客とビジネス客の誘致を促進するため、3000万ドル(約33.5億円)の広告キャンペーン「New York City Reawakens」を開始すると発表した。

デブラシオ氏は「過去最大規模のマーケティング」だと述べ、広告を通じて「ニューヨークを再び訪れることの重要性や、喜び、安全かつ正しい方法で楽しめる場所だということを、全世界の人々に伝える」と語った。また観光に携わる40万人の雇用を取り戻すと約束した。

観光事業を促進する機関NYC & CompanyのCEOフレッド・ディクソン(Fred Dixon)氏によると、キャンペーンは6月より、国内旅行者向けから実施する。国内観光客数は、全体の80%を占めるという。複数のプラットフォームやソーシャルメディア、インフルエンサーを起用して広告を展開する。

草間彌生 ニューヨーク植物園
NY植物園「KUSAMA: Cosmic Nature」mashupNY

NYC & Companyは、今年の観光の目玉として、ニューヨーク植物園で開催中の草間彌生の展示会「KUSAMA: Cosmic Nature」や、6月に開催されるトライベッカ映画祭、ゴッホのデジタルアート展「Van Gogh: The Immersive Experience」、ハリーポッターの旗艦店などを紹介。夏のレストランウィークも7月20日から8月15日まで開催する。

9月には、メトロポリタン美術館のコスチューム・インスティテュートの企画展「In America: A Lexicon of Fashion」や、ニューヨーク映画祭が開催されるほか、ブロードウェイ・ミュージカルの再開を予定している。

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NYC & Companyによると、パンデミック前の2019年は、過去最高の6600万人(国内5310万人、国外1350万人)がニューヨーク市を訪れ、直接的な消費支出は474億ドルだった。
2020年の訪問客(医療従事者などを含む)は2230万人で、前年に比べ60%以上減少した。今年は3640万人まで増加すると予測。以前の水準に戻るには2025年までかかるとみている。