ホームニュース報道倫理を逸脱?クオモ知事...

報道倫理を逸脱?クオモ知事のセクハラ疑惑にCNN弟司会者が助言

CNNの人気アンカー、クリス・クオモ氏が、兄アンドリュー・クオモ・ニューヨーク州知事の電話会議に参加し、セクハラ疑惑への対応をアドバイスしていたことがわかった。ワシントンポスト紙が報じた。

クリス氏は、クオモ知事本人や側近、広報チーム、弁護士、外部アドバイザーが参加する一連の会議に加わった。兄に対して、毅然な態度で、辞任を拒否するよう主張し、理由に「キャンセルカルチャー」を挙げることもあったという。

ポスト紙は、クリス氏は舞台裏で戦略を提供しており、ニュースを報道する人々が、政治に関与するべきではないという、一般的なジャーナリズムの規範に反していると批判。

ニューヨークタイムズは記事で「政治家とジャーナリストの間の伝統的なバリアの侵害」と評し、クオモ知事を兄に持つクリス氏が「ケーブルニュースの看板番組を運営する能力」に、改めて疑問を呈する出来事と指摘した。

CNNは声明で、クリス氏は、本人が述べている通り、時に兄の相談役になり、報道の客観性を保つことが困難であることから、当初からクオモ知事の疑惑報道に関与していなかったと釈明。一方、クオモ知事のスタッフとの会話への参加は「不適切」だったとし、今後は、会議に参加することはないと述べた。懲戒処分はないとしている。

クリス氏は自身の番組で「私の家族は、自分にとってのすべてだ。家族に対して強烈な忠誠心がある」と話し「家族が一番で、仕事は二番目」と姿勢を強調。ジャーナリストであると同時に、政治家を家族に持つことには「特有の困難」を伴い、「これらの役割を両立するためには、決して容易ではない特有の責任がある」と述べた上で、「業界で最高だと思う同僚たちを、困難な状況に置いたことは過ちだった。そのような意図はなかった。これからもそうだ。申し訳なかった」と謝罪した。

今年3月、クオモ政権がパンデミックの初期に、クリス氏を含む家族やVIPに、州が運営する新型コロナウイルスの検査を優先的に受ける機会を提供していたと報じられた。ウォール・ストリート・ジャーナルは先週、この問題を巡って連邦捜査当局が調査をしていると伝えた。

TOP STORIES