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米シカゴ市 新型コロナの死者70%が黒人

シカゴ市保健当局の新型コロナウイルスの被害状況に関する調査によると、感染者や死者数に占める黒人の割合が、著しく高いことがわかった。

発表によると4月6日時点の同市の感染者数は5043人で、死者数は118人となった。人種が不明な数を除くと、黒人の感染者全体に占める割合は52%、死者数の割合は71%に達した。同市の黒人の人口は全体の約30%だという。

ロリ・ライトフット市長は声明で「新たなデータは、COVID-19 の拡散に関する深い問題を提供している。長年にわたってシカゴ全域のコミュニティに様々な健康の影響をもたらしてきた根深い問題をはっきりと想起させるものだ」と語った。

人種間の差について、早い時期から黒人コミュニティで感染が拡大したことや、黒人層で慢性的な基礎疾患を抱える人が多いことを指摘。また、死亡するケースが最も多いのは、歴史的に資源配分が不足しているコミュニティだと述べた。

シカゴでは、アフリカ系アメリカ人の心臓病や肺病、糖尿病、喫煙から生じる病気を含む慢性病の発生率が歴史的に高く、これらの疾患に関連して死亡する割合も高い。黒人と白人の平均寿命は約9年の差があり、慢性疾患が寿命の格差の大きな要因となっているという。

このほか、性別では男性の感染者が50.7%、女性48.1%だった。死者数では男性が73人、女性が44人と大きな差がみられた。高齢者が死亡する割合が高く、死者数の約68%が60歳以上となっている。

感染リスクに関して、職業に関する人種の偏りを指摘する声もある。シカゴ大学のモニカ・ピーク教授はCBSに対し「市が自宅待機命令を発動している間、….食料品店は空いている。….公共交通機関は運行している」と述べ、これら職業の多くは「人種的または民族的マイノリティ」だと指摘している。

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