米政府、ニューヨーク州などの住民に国内移動の自粛勧告

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米疾病対策センター(CDC)は28日、ニューヨーク州、ニュージャージー州およびコネチカット州の住民に対し、今後14日間、不急不要の国内移動を控えるよう勧告した。勧告は、即時発効される。
運送や公衆衛生専門家、金融サービス、食料供給者など国務省が定める重要なインフラ産業は例外される。3州の各知事は、勧告を執行するための全ての裁量を有する。

トランプ大統領は同日午前、感染が拡大する「ホットスポット」の州を隔離する意向を示していた。この発言に対し、ニューヨーク州のクオモ知事はCNNに出演し、「州への宣戦布告だ」として強く反発。憲法違反にあたると、連邦政府を提訴する構えを示していた。

その後トランプ氏は「ホワイトハウスのコロナウイルス対策本部の助言や、ニューヨーク州、ニュージャージー州およびコネチカット州の各知事との協議に基づき、CDCに強力な旅行勧告を発効するよう求めた。隔離は必要ない。」と述べ、移動制限については撤回した。

他州で移動を制限する動き

The Hillによると、28日夜の時点で、ニューヨーク州の感染者数は52,000人を超え、死者は728人に達した。ニュージャージー州では感染者数11,000人、死者数140人。コネチカットでの感染者数は1,000人、死者は27人報告されている。

複数の州では、ニューヨークなど州外から訪れた人に対して、隔離などを要請する動きが広まっている。

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マサチューセッツ州のチャーリー・ベイカー(Charlie Baker)知事は28日、州外から移動した全ての人に、14日間の自主隔離を指示すると発表。特に症状のある人は、移動しないよう要請した。

フロリダ州のロン・デサンティス(Ron DeSantis)知事も同日、感染者数が増加するルイジアナ州から移動した人に、14日間の隔離を義務付けると発表した。デサンティス知事は25日、ニューヨーク州およびニュージャージー州、コネチカット州の空港からフロリダ州に移動した人に、14日の自宅待機を義務付けると発表している。

ロードアイランド州のギナ・レイモンド(Gina Raimondo)知事は、感染拡大を防止するため、州兵などを動員し、ニューヨーク州のナンバープレートを付けた車両を停車。運転手に関する情報を収集する措置を実施すると発表した。