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メリーランド州新聞社キャピタル・ガゼット銃撃事件。犯人は恨み

28日、メリーランド州アナポリスの新聞社キャピタル・ガゼット(Capital Gazette)で銃撃事件が発生し、5人が死亡、2人が負傷した。

容疑者の男性は、ジェロッド・ラモス(Jarrod W. Ramos)38歳で、ショットガンで1階のガラス扉を破り、編集室に押し入り銃を乱射した。その後、地元警察に拘束されたが、IDなどは所持しておらず、警察の捜査に協力しなかったため、顔認証システムで身元を割り出したと発表された。

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ニューヨークタイムズによると、ラモス容疑者はコンピューターエンジニアリングの学位を持ち、2012年にはアメリカ合衆国労働統計局で働いていたという。

事件発生時、部屋にいた記者フィル・デイビス(Phil Davis)氏は、銃撃の様子を「デスクの下で隠れている間に、複数の人が撃たれるのを聞いた。そして、ガンマンが補填する音が聞こえたが、これほど恐ろしいものはない。」とツイートした。この徳の状況を「戦争地帯のようだった。」と語っている。

事件発生の翌日、ラモス容疑者は、5件の第1級殺人で訴追され、保釈は認められず拘留された。
審理では、社員が逃げられないよう裏口のドアを塞いでいたことや、犯行に使った口径12ゲージショットガンは、約1年前に合法的に入手したこと、地元警察は2013年にラモス容疑者をキャピタル・ガゼット社を脅迫した容疑で捜査を行っていたが、罪には問われなかったことが明らかとなっている。

嫌がらせ行為で有罪に

ラモス容疑者は、キャピタルに対して、過去に何度もソーシャルメディアを通じて脅迫を行っており、アナランデル郡の警察は、同社を標的にした犯行だと発表。同社に対する長年の恨みが、犯行に至った原因だという見方を強めている

アナ・ランデル(Anne Arundel)郡の裁判所の資料によると、2009年に交際していた高校時代のクラスメートへのストーカー及びハラスメントを行ったとして、2011年に有罪判決が下されている。
90日間の懲役を言い渡されたが、投獄ではなく、女性に近づかないことやセラピーを受けることを条件に、18カ月の保護観察処分が下された。

有罪判決の5日後、キャピタルは「ジャロッドはあなたの友人になりたかった」というヘッドラインでコラムを掲載した。コラムにはラモス容疑者が被害女性に自殺を促したり、女性の務める銀行に解雇を促すメールを送っていたことなどが記載されている。この記事は、ラモス容疑者の怒りをかうこととなった。

キャピタルとの法廷闘争

NBCニュースなどによると、2012年7月に、ラモス容疑者は、キャピタルのオーナーを名誉毀損で提訴。その2ヶ月後にもプライバシー侵害を申し立てた。2013年、記事は事実に基づいて書かれており、どのような形で、彼に損害を与えたのかを立証できなかったため、申し立ては却下された。ラモス容疑者は控訴するも、2015年に再び却下された。

2011年からは、ツイッターを通じて、元エグゼクティブエディター及び発行人のトーマス・マーカード(Thomas Marquard)氏や、コラムを書いた記者のエリック・ハーレイ(Eric Hartley)氏など特定の人物を攻撃するようになる。2013年には今回殺害された編集副主幹のロブ・ヒアーセン(Rob Hiaasen)氏を非難する内容も見られるという。
トランプ大統領の言葉を引用し、メディアを非難するような投稿もある。

また、事件を起こす数時間前には、名誉毀損の訴えを却下した裁判官の名前がつけられたハンドルネーム宛に、冒涜するようなメッセージが投稿されている。
NBCニュースによると、876件のツイートのうち149件がキャピタル・ガゼットに言及する内容だった。

今回の事件に関して、元発行人のトーマス・マーカード氏は、ラモス容疑者が、新聞社にとって長年脅威の存在であったことを明かしている。「会社に来て、我々を銃撃するのではないかと弁護士に相談したことがある」とニューヨークタイムズに述べている。マーカード氏は、事件が発生し容疑者の名前を聞いた時、驚かなかったとABCニュースに語った。

事件翌日も新聞を発行

日刊新聞「ザ・キャピタル」は、事件翌日の29日も通常通り新聞を発行した。1面には「キャピタルで5人死亡」と端的な見出しが掲載され、今回犠牲となった記者4名と営業1名の写真が掲載された。

事件当日、記者のチェース・クック氏は「明日新聞は発行する」とのツイートで発表した。

キャピタル・ガゼットは、米国内で最も歴史ある新聞の一つ。1927年に英国のジャーナリスト、ウィリアム・パークス氏が「メリーランド・ガゼット」として立ち上げた。

発行日の深夜、ツイートで一面がシェアされた。

白紙に「Today, we are speechless」(言葉もない)と書かれたオピニオンのページには、銃撃で犠牲になった仲間の名前、ジェラルド・フィッシュマン(Gerald Fischman)氏、ロブ・ヒアーセン(Rob Hiaasen)氏、ジョン・マクナマラ(John McNamara)氏、レベッカ・スミス(Rebecca Smith)氏、ウェンディ・ウィンタース(Wendi Winters)氏の名が綴られた。

29日夜、犠牲者の追悼のため集まった人々。記者のパット・ファーガーソン(Pat Furgurson)氏は「我々は敵ではない。私たちは、あなたたちそのものだ。」と述べ、メディアを敵視する風潮に対する言葉とも思われるメッセージを発した。

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