議事堂襲撃事件 与野党から9/11型の調査求める声

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弾劾裁判でトランプ前大統領に無罪評決が下った翌日、報道番組に出演した複数の議員は、9/11委員会をモデルにした超党派の委員会による調査の必要性を訴えた。

トランプ氏と親しいリンジー・グラハム上院議員(共和・サウスカロライナ)は「Foxサンデー」のインタビューで「何が起きたか解明して、二度と繰り返さないように9/11委員会が必要だ。次回は、議事堂がもっと良く防御できるようにしたい」と語った。

弾劾マネージャーのメンバーだったマデリン・ディーン下院議員(民主・ペンシルベニア)はABCの「This Week」で「政治ではなく、カシディ議員のように信念に従って立ち向かう人々で満たされた、完全で公平な委員会」が必要だと語った。

クリス・クーンズ上院議員(民主・デラウエア)は「まだ国民に知らされなければならない証拠がある。9/11委員会は、今後、議事堂を安全とし、トランプ大統領にどれほどの責任があり、いかに憲法の誓いを大きく犯したのか、明らかにする方法だ」と話した。

ジョージ・W・ブッシュ大統領は2002年、9/11委員会を設立する法案に署名。テロの全容を明らかにし、再発防止に向けた調査を義務付けた。委員会は最終的に、諜報機関の協調や議会の監視など、数十の勧告を行なった。

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ナンシー・ペロシ下院議長は先月、ヒラリー・クリントン氏のポッドキャストで、9/11と同様の委員会を設置し、議事堂襲撃に対するプーチン大統領の関わりを含む、包括的な調査をする意思を示していた。

ペロシ氏は、シリア撤退をめぐる2019年10月のトランプ氏との会談で「あなたは、すべての道はプーチンに通じている」と話したと振り返り、「プーチンが政治的、経済的、個人的に彼に対して何を持っているのかわからないが、先週起きたことは、民主主義を損なおうとするプーチンへのギフトだ」と主張。「これらの人々は、多分知らないうちにプーチンのパペットになっている。大統領に暴動を扇動されて、彼らがそれをやった時、彼らはプーチンの仕事をしていたのだ。だから、9/11委員会を設けるべきで、議会は強く支持している」と話した。さらに「委員会は、より大きなアジェンダを持つことになる」と述べ、共謀した議員らをすべて明らかにし、刑事訴追もありうると語った。

クリントン氏は、トランプ氏には知られていない他のアジェンダがあると主張。「武装集団が議事堂を占拠した日に、彼がプーチン報告していなかったか通話記録を調べたい」と述べ、「今となっては、彼だけではなく、彼の行いを可能にした者、共犯者、カルトメンバーらも同様に民主主義を軽視していることがわかっている」と語った。