フロリダ州の捜査当局は10日、前日にホテルで死亡しているのが確認されたコメディアンで俳優のボブ・サゲット(Bob Saget)さん(65)に関して、発見時などの様子や検視の状況を明らかにした。
オレンジおよびオセオラ郡のジョシュア・ステファニー検視局長は声明で、「薬物を使用したという証拠や、事件性はない」と発表。死因の特定に関しては、調査に10週から12週間かかると述べた。
オレンジ郡保安局も昨日、薬物や事件の可能性はないとしている。
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— Marlei Martinez WESH (@MarleiMartinez) January 10, 2022
左手を胸にあてていた
サゲットさんは9日、オーランドでコメディショーを開催した後、リッツ・カールトンに宿泊。翌日にチェックアウトを予定していた。
保安室の報告書によると、本人と連絡がつかないと心配した家族が、ホテルの警備部門に室内の確認を要求。警備員のジョディ・リー・ハリソンさんが部屋に入ると、電気の消えた部屋で、ベッドに横たわるサゲットさんを発見した。
体を触ると、すでに冷たくなっていた。息をしておらず、脈も確認できなかったため、すぐに救急隊員に通報した。
保安官と救急隊員が到着した際、サゲットさんの左腕は胸のあたりに、右手はベッドに置かれていたという。午後4時20分ごろ、死亡が確認された。
所持品は、ナイトスタンドやテレビ台、クローゼット、バスルームに置かれており、部屋が荒らされた様子はなかった。記録によると、入室したのは、午前2時20分ごろだった。
直前にメッセージを投稿
サゲットさんは、昨年9月から大陸横断のスタンダップコメディツアー「I Don’t Do Negative Comedy Tour」をスタートさせたばかりだった
9日にジャクソンヴィルのポンテヴェドラ・コンサートホールでイベントを終えたサゲットさんは、インスタグラムに、ステージで撮影したセルフィー写真を投稿。
この日のショーは「素晴らしかった」と感激した様子で、ファンに感謝を述べたほか、「26歳の時のようにコメディに復帰した。新しい考えが発見できたし、その瞬間全てが気に入った」「多分これをやり続けるだろう。なぜなら、これにゾッコンだからだ。じゃあね(ピースマーク)」と今後の意気込みを語っていた。
フィラデルフィア州出身のサゲットさんは、スタンダップコメディアンとしてキャリアをスタートさせた。その後俳優としても活躍。1987年から1995年まで放送されたシットコム「フルハウス」が大ヒット。妻を亡くしたスポーツキャスター、ダニー・タナー役を好演した。長寿番組「アメリカズ・ファニエスト・ホームビデオ」では、 1989年から1997年まで司会を務めた。
SNSには、「フルハウス」で娘役として共演したオルセン姉妹や、キャンディス・キャメロン・ブレ、ジョン・ステイモス、デイヴ・クーリエのほか、数多くのセレブが追悼メッセージを投稿。突然の別れを惜しんだ。
2018年に再婚した妻ケリー・リッゾさんは10日、声明で「彼はまさに私のすべてだった」と述べ、「打ちのめされ、信じられない思いだ」と悲痛な思いを綴った。ファンや友人、家族からの愛や追悼に、深く心動かされたと感謝を示し、落ち着いたら、改めて思い出を分かち合いたいと発表した。