米でも報道、日本の高校で黒人文化の髪型が校則違反、男子生徒を卒業式で隔離

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兵庫県で男子高校生が、卒業式で髪型を理由に隔離された話は、米国でも報じられ、さまざまな反応が寄せられている。

毎日新聞は28日、姫路市の県立高校で、米国籍の父親を持つ男子生徒が、父親のルーツの黒人文化では伝統的な「コーンロー」と呼ばれる髪型で式に臨んだところ、校則違反を理由に卒業生用の席への着席を禁止され、代わりに2階席に隔離されたと伝えた。

アジア系のニュースにフォーカスしたサイト「Nextshark」は、この記事の内容とともに、かつての米国の人種隔離政策のようだと非難した国民民主党の玉木雄一郎代表のツイートを交え、ネットで批判の的になっていると報じた。

同サイトはまた、2017年に髪を黒く染められるよう強く指導され不登校になった女子生徒が、損害賠償を求めて学校側を訴えた件や、ある商業高校で、生徒が教師に正座でおじきを強要されているとして批判にさらされた問題にも言及。厳格な校則をめぐるトラブルを紹介した。

ニューヨーク州では髪型差別が違法に

男子生徒の父親はニューヨーク出身の研究者と伝えられている。ニューヨーク州では2019年、クオモ前州知事の下、人種の定義を髪型にまで拡大し、髪型に基づく差別を違法とする法案が成立した。具体的には、現行法の人種の定義に「プロテクティブ・スタイルと髪質など、人種と歴史的に関連する特徴を含む」と追記。プロテクティブ・スタイルには、「編み込み、ドレッドヘア、ツイスト」が含まれると明記した。

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NextSharkの記事はYahooに配信され、現在、1,700件近くのコメントが投稿されている。

「学校の判断に賛成できない」といった声や「日本の同調圧力は少し行きすぎている」といった批判がある一方で、「これはあくまでも他の国の政策。誰もが米国に従う必要はない」といった意見や、日本のカルチャーの一部だといった声も多数見られた。

「日本文化では調和が重んじられる。出る杭は打たれるということわざもあるくらい。彼らの基準を受け入れなければならない」「日本は均質的かつ集団主義的であり、人種のるつぼではない。厳格な秩序と規則、伝統がある。(中略)日本のような国では順応する以外に選択肢はない。アメリカのように自分のアイデンティティーを主張することはできない」「規則は規則。日本には厳格な校則がある。髪型も然りだ。人種を持ち込むべきではない」などのコメントが投稿されている。日本に住む「ハーフ」と名乗るユーザーは、日本では皆がルールに従い生活しているとし、「画一性や規定の遵守は、日本が安全に住める国である理由の一つ」と学校側の対応を擁護した。

このほかに「アメリカではマナーの悪い人々への規律や罰則が欠けており、教育制度が他の国に比べて低下している」と自国の問題を指摘するコメントなども投稿されている。