ビリオネアのカニエ・ウエスト、新型コロナ中小企業向け融資を利用

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米ラッパー、カニエ・ウエストの会社Yeezy LLCが、新型コロナウイルスの経済対策として、連邦政府が提供する中小企業向け融資「ペイチェックプロテクションプログラム」(PPP)から、200万ドルから500万ドルの融資を受けていたことが分かった。財務省が6日公開したデータより明らかとなった。同社は、160人の雇用を維持するために、同プログラムを活用したとしている。

デイリービーストによると、イージーのスニーカーは、昨年15億ドルを売り上げた。4月には、フォーブスの世界長者番付に加わっている。妻のキム・カーダシアン・ウエストも先月ビリオネアの仲間入りを果たした。

また先月、アパレルブランドのギャップとパートナーシップを組み、新ライン「イージー・ギャップ」(YEEZY GAP)を立ち上げると発表している。

なお独立記念日には、11月の大統領選挙に出馬する意向を表明した。これに対し、「パブリシティのスタント」「すべては注目ゲームの一部だ」など否定的な声のほか、「カニエはトランプファンだ。トランプを助ける意図がある」など、トランプ氏再選の支援活動と主張する声が寄せられている。

大手上場企業などは融資を返金

PPPは、従業員の雇用維持を主な目的としたもので、500人以下の中小企業が対象となる。利息は1%で、資金を従業員の給与支払いに充てた場合、最大1,000万ドルまで返済が免除される。
4月初旬の開始直後から申し込みが殺到。約2週間で財源が枯渇し、中小企業庁は新規受付を一旦停止すると発表していた。融資条件に該当するものの、飲食店のチェーン店など大手上場企業などが制度を利用していたことで批判を浴びており、シェイク・シャックやハーバード大学などは、受け取った融資を全額返金している。

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今回財務省は、融資先の透明性を確保するため70万社の企業や団体を公表した。イージーの他には、オスカー・デ・ラ・レンタや、ヴェラ・ウォン、クロエ・カーダシアンのデニムブランド、トランプの娘婿であるクシュナー家のPrinceton Forestall LLC、民主党ナンシー・ペロシ下院議長の夫の企業などが利用していた。

CNBCによると、ビリオネアの運営する会員制クラブ「ソーホーハウス」のほか、400以上のカントリークラブやゴルフリゾート、プライべートジェット企業などがPPPの融資を受け取っている。