FOXニュースの元看板司会者 セクハラ被害女性と35億円で和解

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ハリウッドの大物プロデューサーのハーヴェイ・ワインスタイン氏によるセクハラ事件をきっかけに、各分野でセクハラ糾弾の機運が強まる中、稀に見る高額和解と会社の対応が話題となっている。

21日、今年4月にセクハラ問題でFOXニュースを去った看板司会者のビル・オーライリー(Bill O’Reilly)氏が、セクハラを受けたリーガルアナリストのリス・ウィエル(Lis Wiehl)さんと3,200万ドル(約35億円)の高額の解決金で和解をしていたことを、ニューヨークタイムズが報じた。

オーライリーはウィエルさんに対し、合意なく性的関係を迫ったり、同性愛者のポルノや性的な表現が露骨な資料を送ったりするなど、15年間に渡り、ハラスメント行為を繰り返したという。

FOXニュースでは、昨年、元キャスターのグレッチェン・カールソン(Gretchen Carlson)さんが、今年5月に他界した前最高経営責任者(CEO)のロジャー・エイルズ氏からセクハラを受けたとして裁判を起こし、2,000万ドル(22億円)で和解が成立したと報道されている。オーライリーの金額はそれを大きく上回る。

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©mashupNY

両者の和解が成立したのは今年1月だが、親会社である21世紀フォックスは2月にオーライリーの契約を4年間、1億ドル(110億円)で延長することを決定していた。
21世紀フォックスは、契約の更新時点で、ウィエルさんが訴訟を起こしていた事実を把握していたことを認めている。それにも関わらず、更新に至った経緯については「オーライリー氏が個人的に和解をしたこと。金額については機密で、会社側に公表しないということで両者が合意した、と告げられた」と、詳細については知りえなかったとしている。また、契約には「会社がその他の疑惑を察知、または会社の調査で関連する情報が得られた場合、オーライリー氏は解雇されうる、という企業を保護する内容を付け加えた」とし、「同契約をもとに、会社は適宜対応した」と問題がないことを主張した。

一連の報道に対し、オーライリーのスポークスマンのMark Fabiani氏は、ニューヨークタイムズの報道を「匿名のソースからリークされた、脈絡がなく、誤った、中傷的な情報だ」と述べ、「ビル・オライリー氏を辱め、市場から遠ざけることを目的としている」と、先月、FOXニュースのショーンハ二ティの番組に出演するなど、復帰をはかるオーライリーのキャリアを損なうものだと非難した。

オーライリーは今年4月に、複数の女性に対するハラスメント疑惑の報道がきっかけとなりFOXニュースを降板した。ニューヨークタイムズによると、ウィエルさんとの和解は6人目のケースになるという。

なお、オーライリーは、4月にFOXニュースから降板した際、一連のハラスメント疑惑を、根拠のない主張だと否定するスタンスを崩さなかった。

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