ウクライナの南東部の炭鉱町ウグレダル周辺では、3週間にわたって大規模な戦闘が展開され、ロシア軍は占領に失敗するとともに、戦車や装甲戦闘車両合わせて130台を失う痛手を負った。ニューヨークタイムズが1日、ウクライナ軍の司令官らの話をもとに伝えた。
ロシア軍の戦車兵らは、ほとんどが新兵で、捕虜になった兵士の中には、衛生兵から操縦手に再配置された兵士もいたという。
ウクライナ軍の機械化大隊の副司令官は、同紙の取材に「これまでで最大の戦車戦」だったとしつつ、いかに効果的な戦いを仕掛けたかを説明した。
それによると、周囲の畑に地雷が仕掛けられた未舗装路にロシア戦車の隊列を誘い、これをドローンで監視。「キルゾーン」に達したところを、無線で号令をかけ、木立に待ち伏せした対戦車チームが、対戦車ミサイルで攻撃する。ロシア軍が最も脆弱になるのはこの後につづく銃撃戦で、爆破された車両により行手を塞がれた操縦手が、パニックになり方向転換をしようと地雷のある路肩に入ったり、さらに遠方からの砲撃で装甲を破壊された車両から降りてきたロシア兵を殺害する。
こうした作戦は、ウクライナ軍が戦争開始以来繰り返しているもので、タイムズは、ロシア軍は待ち伏せ場所に隊列を進めるという、過ちを繰り返していると指摘。先述の衛生兵の捕虜は、経験豊富な指揮官の不足を示しているとした。若干20歳だというウクライナの兵士は、同紙に「ロシアの戦車兵は大半が新兵で、戦闘の経験もなく習熟していない」と話した。
ウクライナ国防省は2日、ロシアはこれまでどおりの「自殺計画」に沿って戦闘を進めているとSNSに投稿。戦闘車両が次々と破壊される様子を撮影したドローンの映像をシェアした。ウクライナ側は3日の発表で、ロシアはこれまでに戦車3405台、装甲戦闘車両6673台を失ったとしている。
Once upon a time in Donetsk region.
— Defense of Ukraine (@DefenceU) March 2, 2023
Tanks of the 53rd mechanized brigade vs a column of russian armoured vehicles. pic.twitter.com/lqBNhCvEgv
