東部ハルキウ州で重要拠点を奪還するなど、ウクライナ軍の戦果が報じられる中、バイデン大統領はTV番組に出演し、プーチン大統領に核兵器を使用しないよう警告メッセージを送った。

18日放送のCBSの看板番組「60ミニッツ」のインタビューで、追い詰められたプーチン氏が化学兵器や戦術核兵器の使用を検討した場合、何を告げるかと聞かれたバイデン氏は「するな」と3回繰り返し、「第二次大戦以降とは異なり、戦争の様相を一変させる」と警告。具体的な発言を避けつつ「重大な結果をもたらす。これまで以上に世界からのけ者になる」と述べ、西側諸国の対応は、ロシア側の攻撃の範囲によると語った。

ニューズウィークがロシア国営通信者の報道をもとに伝えたところ、ロシアのペスコフ大統領報道官はバイデン氏のコメントについて「ドクトリンを読めば、すべて書いてある」と反応したという。

ボイス・オブ・アメリカは、ロシアは2000年に更新した軍事ドクトリンで、「ロシア連邦の国家安全保障にとって重大な状況で、通常兵器を利用した大規模な侵略への対応」として、核兵器の先制使用を認めていると伝えている。

同紙によると、1997年のドクトリンでは、核兵器の先制使用は「ロシア連邦の存在が脅かされた場合」に限定されていたという。また最新版では、ロシアがすべての大量破壊兵器への対応のために、核兵器を使用する権利を持っていることを初めて宣言したともしている。

米国科学者連盟によると、ロシアは5,977発の核弾頭を保有している。

核戦争の被害

米プリンストン大学の研究者らは、ロシアとの全面核戦争に突入した場合、開始から数時間で9,000万人以上が死傷する可能性があるとしている。

両国の核戦闘能力、核戦争計画、核兵器の標的を元に、シミュレーションを行い算出したもので、2019年にYoutubeで公開した。死傷者数は爆発によるものに限定しており、死の灰や長期的影響により、死者数は著しく増加するだろうとしている。

「Plan A」と題された動画では、米国とNATOの前進を阻止するために、ロシアが警告弾を発射することから核戦争に突入するシナリオとなっている。

開始から3時間で、ロシア300発、NATO180発の合計480発の戦術核兵器が使用され、260万人の死傷者が出る。標的にはヨーロッパ全土のNATO基地が含まれる。

ヨーロッパが破壊されると、米国本土または潜水艦から、ロシアの核戦力破壊のために600発の戦略核兵器が発射され、45分間で340万人が死傷する。

この後、敵の回復を阻害するため、互いに経済の中心都市を標的とした攻撃が展開され、8,530万人の死傷者が出る。研究者らは核戦争開始から数時間で、死傷者は9,150万人(死者3,410万人、負傷者5,740万人)に上ると結論づけている。