ビヨンセがドバイでコンサート、LGBTQから非難

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4年ぶりにライブコンサートを開催した歌姫ビヨンセ。ドバイが会場となったことに、LGBTQコミュニティから非難の声が上がった。

コンサートは21日、ホテル「アトランティス・ザ・ロイヤル」のオープニング・イベントの一環として開催された。携帯電話によるショーの撮影は禁じられていたというが、SNSには、11歳の娘ブルー・アイビーちゃんの隣でビヨンセが熱唱する姿などが出回っている。

ネットでは、親子の共演に感激する声が上がる一方、LGBTQに支持を表明してきたビヨンセが、同性愛が禁止されているアラブ首長国連邦で公演を行ったことに、非難や落胆のコメントが寄せられている。

LGBアライアンスの共同創設者ベブ・ジャクソン氏は英紙テレグラフに、ビヨンセは「多くのゲイにとって、偉大なアイコン」的存在だと述べつつ、今回のコンサートは「レズビアンやゲイに対する彼女の支持に影を投げかけた」と指摘。「同性愛者の性行為が犯罪で、死刑となる可能性のあるドバイで、金稼ぎのコンサートを行ったことに失望している」と語った。

同紙は、ビヨンセが受け取ったギャラは、約2,500万ドル(約32億円)と報じている。

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ル・ポールのドラァグ・レースUK出場者のキティ・スコット・クロースはツイッターで、カタールで開催されたワールドカップで、同国と高額なアンバサダー契約を締結したことから、非難を浴びたデビッド・ベッカムを引き合いに、「ベッカムをキャンセルしたのに、ビヨンセがドバイで行ったパフォーマンスを称賛している理由を説明してくれる?ある人物には適用されて、別の人物にはそうではないの?」と同様の非難に値すると主張した。

ビヨンセは、昨年発売したアルバム「ルネサンス」(Renaissance)について、子供や夫のジェイ・Zに加え、ゲイの叔父”ジョニー”や、黒人のポップカルチャーを形成してきたLGBTQコミュニティに捧げると語っていた。

アルバムでは、”ゲイ・アンセム”と称される「Break My Soul」で、ラッパーのビッグ・フリーディアと共演したほか、Tsマディソンや、ハニー・ディジョン、シド、モワ・ルネ、マイクQ、ケヴィン・アヴィアンスなどのクィア・アーティストが参加していた。

ビヨンセは過去にも、インドで最も裕福とされるムケシュ・アンバニ氏の娘や、リビアの独裁者で2011年に殺害されたカダフィ大佐の息子ためにプライベートコンサートを開き、物議を醸した。後者のイベントでは公演料として、200万ドルを受け取ったが、その後ハイチの地震救援金として寄付している。

なおテレグラフはLGBTQコミュティを支持しながら、これまでドバイでコンサートを開催したアーティストの例として、レディー・ガガやマドンナ、エルトン・ジョン、カイリー・ミノーグの名前を挙げている。