バーニー・サンダース上院議員 学生ローン債務の帳消し法案提出

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2020年大統領選の民主党の候補者指名を目指すバーニー・サンダース上院議員(無所属 バーモント州)は24日、大学を無償化するとともに、4,500万人が抱える1兆6,000億ドル(約175兆円)の学生ローンの債務の全てを免除する法案を提出した。

サンダース議員は声明で「競争の熾烈な世界経済で、所得に関わらず全てのアメリカ人が、まともな賃金の職に就くために必要なトレーニングまたは大学教育を確実に受けられるようにする」と法案の目的を述べた。加えて、2008年の金融危機による打撃を受けた世代に関し、「学生負債を取り消し、1世代全てが生涯負債に苦しむ不条理を終わらせる」と語った。

また「2008年、アメリカ市民がウォール街を救済した。今、ウォール街がこの国の中産階級と労働者階級を助ける番だ」と述べ、金融取引に新たな税を設け、財源とする計画を明らかにした。

発表によると、別の法案を通じて株式取引に0.5%、債権の取引に0.1%、金融派生商品の売買に0.005%の税を設定する。新税による今後10年の歳入増を2.4兆ドルと予想し、大学無償化と債務免除にかかる推定費用の2.2兆ドルをカバーするとしている。

無償化の対象には、4年生公立大学、コミュニティ・カレッジ、職業専門学校、徒弟訓練制度が含まれる。

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法案発表の記者会見には、下院に同僚法案を提出する民主党のプラミラ・ジャヤパル(Pramila Jayapal)議員とイルハン・オマール(Ilhan Omar)議員に加え、アレキサンドリア・オカジオ・コルテス(Alexandria Ocasio-Cortez)議員も立ち会った。

CNBCによると、学生が卒業時に抱える平均負債額は3万ドル(330万円)で、1990年の1万ドルから3倍に上昇。債務者の28%は延滞または債務不履行に陥っているという。

学生ローン取り消し及び大学無償化については、大統領選の対抗馬のエリザベス・ウォーレン上院議員(民主党)が4月に公約として発表している。ウォーレン議員の計画は、世帯所得が25万ドル(2,750万円)以下の債務者に対し、所得に応じて一人あたり最大で5万ドル(550万円)の債務を取り消すといった内容だが、サンダース議員の計画はそれを超える内容となっている。なお、ウォーレン議員は財源を、富裕層に対し、資産規模に応じて課税する「超ミリオネアタックス」でカバーするとしている。