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労働環境に不満 事件直前にスタッフ離脱で混乱も。アレック・ボールドウィン誤射事件

アカデミー賞ノミネート俳優が、スタッフを銃で死亡させるという衝撃的な事件から1日経ったが、実弾入りの銃がなぜ撮影現場で使用されたのかは明らかになっていない。

ロサンゼルスタイムズは事件当日の朝、処遇に不満を抱いたスタッフの一部が、職場を離脱していたと報じている。

事件は21日午後、ニューメキシコ州サンタフェ郡のボナンザクリークの撮影現場で起きた。ここでは、西部劇「ルスト(原題)」(Rust)の撮影が行われていた。銃を撃った俳優のアレック・ボールドウィン氏は、共同製作を務め、自らも出演している。

銃弾を受けたのは、撮影監督のハリーナ・ハッチンス(Halyna Hutchins)氏と監督のジョエル・スーザ(Joel Souza)氏。ハッチンス氏は、搬送先のアルバカーキの病院で死亡が確認された。スーザ氏はサンタフェの病院で手当てを受け、その後退院したと報じられている。

タイムズによると、撮影現場では、以前よりスタッフから、安全性に関する深刻な懸念や、待遇への不満の声が上がっていたという。

小道具の銃による「誤射」は度々起きており、事件前に3回、先週土曜日に2回、その前の週に1回あったという。情報筋は同紙に「撮影現場には、安全協議が不足していた」と語っている。

事件当日には、長時間労働に不満を抱いていた6人のカメラスタッフが、抗議のために職場を去っていた。製作側は当初、撮影現場近くにホテルを借りるとスタッフに伝えていたが、約束は守られず、撮影現場まで約80キロの距離を移動する必要があったという。

午前6時半に現場に到着したスタッフは、所持品を回収し始めた。その間、組合に所属していない別のスタッフが現場に到着したという。製作側は組合員に対し、撮影現場から出て行くよう求め、自主的に退出しない場合は、警備員を呼ぶなどと脅したという。

現場で所持品を片付け始めたスタッフらに対し、製作側は入れ替わりの労働者を用意。スタッフらに対し、撮影現場から出て行くよう要求し、退出しない場合は警備員を呼ぶなどと脅したという。元のスタッフは組合に所属していたが、新たに用意されたスタッフは非組合員だった。

事情を知る人物は、非組合員の使用は「無駄を省くためだ」と語っている。組合員のスタッフらが現場を去ったのは、事件が起きる6時間前だった。

▼死亡したハッチンス氏のSNSには、Rustに参加した国際映画劇場労働組合(IATSE)のメンバーの写真が投稿されている

製作会社のRust Movie Productions LLCは、事件後、「撮影現場での武器や小道具への安全性に関して、公式な苦情は寄せられていない」と説明している。撮影が中断している間、手順を見直し、捜査にも協力すると発表した。

ボールドウィン氏は事件翌日、SNSに投稿した声明で「悲劇的な事故について、衝撃と悲しみを表す言葉が見つからない」と述べ、捜査に全面的に協力する意向を示すと共に、遺族に対し「心が引き裂かれる思いだ」と心情を語った。

銃には実弾

国際映画劇場労働組合(IATSE)が22日、メンバーに宛てた電子メールで、ボールドウィン氏が使用した撮影用の銃には、 先端に弾丸がついた「ライブ・シングル・ラウンド」が入っており、「誤射」であると説明した。なお撮影では通常、「ブランク」と呼ばれる空砲が使用される。

AP通信によると、銃を渡したのは、アシスタント・ディレクターのディブ・ホールズ(Dave Halls)氏で、使用しても安全だと伝えていた。ホールズ氏は、銃は「コールド・ガン」(弾を入れるカートリッジのない銃)だと思っていたという。

事件の目撃者がShowbiz 411の取材に話したところによると、ボールドウィン氏は誤射後、「なぜホット・ガン(実弾入りの銃)を渡されたのか」「今までホット・ガンを渡されたことは一度もない」と繰り返し尋ねたという。

サンタフェ郡保安官室は22日に捜索令状を取得。撮影現場から、衣装や2人を撃った銃器、その他の小道具や撮影用武器、撮影済みの映像などを押収したという。

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