パスタのパッケージが産地の誤解を与えたとして、消費者らが起こした集団訴訟について、カリフォルニア北地区の連邦地裁は、審理を進める判決を下した。
原告のマシュー・シナトロさんとジェシカ・プロストさんは6月に提出した訴状で、食品大手「バリラ」のパッケージに記載されたスローガン「イタリアの#1、パスタブランド」(Italy’s #1 Brand of Pasta)とイタリア国旗カラーのイラストについて、消費者にイタリア産であると意図的に思い込ませたと主張。
ラベルの表記に反して、イタリアの小麦などを使用しておらず、実際はアイオワ州とニューヨーク州で製造されていると指摘した上で、被害者を代表して損害賠償金の支払いと、表記の変更を命じるよう求めた。
二人は昨年、それぞれ2ドル程度のパスタを地元の食料品でイタリア産と思い込んで購入したという。ただし訴状には、誤解を与えるパッケージとして、54品目を列挙している。
Authenticity and product origin drive consumer purchase decisions, and companies who wish to profit from them must be truthful about where their products are made.
— Clarkson Law Firm (@ClarksonLawFirm) October 18, 2022
Law360: Barilla Can’t Nix False Ad Suit Over Italy-Made Pasta Claimshttps://t.co/XS8Ug2cTI9 pic.twitter.com/yVBcjE5ZWt
バリラは、1877年にイタリアのパルマでパン&パスタショップとしてスタートした。現在100カ国に輸出しており、イタリア以外では15カ国で生産している。訴訟では、バリラ・ホールディング傘下のバリラ・アメリカが被告となっている。
訴えに対して、同社は、スローガンは登録商標で、イタリアではなくバリラが製品の供給元であることを特定したものと反論。原告が示した全製品に、イリノイ州の本社所在地と「メイド・イン・USA」と明確に表記しているとして、訴えの棄却を求めた。
今回の判決は、バリラ側の主張に対するもので、判事は、棄却の請求は「部分的に認められ、部分的に否認された」と説明。裁判の続行を許可した。
なお原告の代理人は、カリフォルニア州マリブにあるクラークソン法律事務所(Clarkson Law Firm)のキャサリン・ブルース氏らが務めている。同社はこれまでに、エナジー飲料の「セルシウス」やホットソースブランド「テキサス・ピート」を相手にした集団訴訟を手掛けている。セルシウスとは「防腐剤不使用」の記載をめぐって争い、先日、780万ドル(約11億円)で和解が成立したことを明らかにした。
ツイッターには原告に批判的なコメントも多くみられ、「乱訴だ」「この手のいいがかりは、法律事務所を儲けさせ、和解金の代償として消費者がもっと支払うことになる」「トヨタだって、ここで売っている車が日本製じゃなくても、日本ブランドと主張してもよいじゃないか」といった声が投稿されている。
Proud to announce a $7.8 million settlement on behalf of U.S. customers who alleged Celsius beverages were mislabeled as containing ‘No Preservatives.’ pic.twitter.com/wd2z5daS9W
— Clarkson Law Firm (@ClarksonLawFirm) October 14, 2022