全米黒人地位向上協会(NAACP)が主催する「イメージ・アワード」の女優オークワフィナ(Awkwafina)のノミネーションが、物議を醸している。
アジア系アメリカ人のラッパー、オークワフィナはこれまでに、マーベルの「シャン・チー/テン・リングスの伝説」や「オーシャンズ8」、「クレイジー・リッチ!」に出演。「フェアウェル」ではゴールデングローブ賞主演女優賞を受賞している。
NAACPは18日、ディズニーの「ラーヤと龍の王国」に声優として出演したオークワフィナを、吹き替えパフォーマンス賞にノミネートした。
「ブラクセント」問題が再燃
オークワフィナは過去数年、これまでの出演作品で黒人を真似た話し方「ブラクセント」を使用してきたとして、非難にさらされてきた。加えて、非難に対して、本人が明確な回答をしていないことにも不満の声が上がっている。
▼「オーシャンズ8」のシーン。ブラクセントだと指摘する声が上がった
黒人系メディアThe Rootは、オークワフィナをスターダムに押し上げたほとんどの役柄は「ブラセント」をまとったものだったと指摘。「NACCPイメージ・アワードは、黒人に限定したものではない」としつつ、「多くの人々は、オークワフィナが黒人をネタにして恩恵を受けてきたと考えており、このノミネーションに怒りを覚えている」と批判した。
同サイトはまた、オークワフィナが以前、オーディション中にアジア人のアクセントを求められ、拒否したエピソードに言及。これは自身が2017年のVICEのインタビューで明かしたもので、「われわれの人々でミンストレルショーを作っていると感じるような作品のオーディションに参加したことはない」と語っていた。
The Rootsは「他の人種でミンストレルを作るのを気にかけていないことは、確かなようだ」と皮肉った。
SNSでは、ノミネーションに反対する声が多数寄せられている。
「NAACPはわれわれを侮辱した非黒人を、なぜノミネートするのか?」
So the NAACP Image Awards support people who mock Black people now…got it.
— Red Joker 🇺🇸 (@R3dJ0k3r) January 19, 2022
「生活のためにミンストレルショーを作るのをヨシとしたオークワフィナのような人物をノミネートするのは、NAACPだけ」
Out of all of the awards, I would think the NAACP Image Awards would be the last one to nominate someone like Awkwafina, who thinks it is ok to make a minstrel out of Black people for a living. Yikes. https://t.co/7THr0VNhUG
— 𝐵𝑒𝒸𝒸𝒶 (@MJFINESSELOVER) January 19, 2022
「NACCPは、彼女がミンストレルみたいにジョークでブラクセントを使ったことに目をつぶっている。彼女はまだ、なぜブラクセントを突然やめたのか説明していないじゃないか。大役を獲得し始めたからだってことは自明だ」
Yes she is a “colored person” but the NAACP really just going to ignore Awkwafina’s use of a blaccent for jokes in a minstrel like fashion? She has yet to explain why she used it and why she suddenly stopped. We all know she only stopped because she started getting bigger roles.
— The Boy: The Zo Year (@blkbuddha) January 19, 2022
なお、オークワフィナは昨年9月、ロイターショービズのインタビューで、ブラクセントをめぐる非難について「会話をする準備がある」と語っていた。
.@awkwafina addresses controversy of her using a ‘blaccent’ in films: pic.twitter.com/razgNiTFke
— Reuters Showbiz (@ReutersShowbiz) September 10, 2021
一方、「彼女はニューヨークのクイーンズ出身であり、それらしい態度とアクセントだ。何が問題なのか分からない」と擁護する声も寄せられている。