オークワフィナ「ブラクセント」釈明も、批判止まらず

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「ブラクセント」の使用を巡る非難に対し、コメディアンで女優のオークワフィナ(Awkwafina)は5日、ツイッターで釈明を行った。

「シャンチー」や「フェアウェル」などに出演したオークワフィナ(本名、ノーラ・ラム)は、「オーシャンズ8」、「クレイジー・リッチ!」など過去の作品で、黒人の話し方を真似た「ブラクセント」や、アフリカ系アメリカ人の英語(AAVE)を使用してきたとして、非難を浴びていた。

オークワフィナはツイッターで、米国の歴史において、黒人文化が「盗用、搾取され、金銭を得るために”支配的”文化によって流用されてきた」ことについて理解していると前置きしつつも、「他者を利用して、揶揄や軽蔑、不親切にしたりすることは、私の性質として、”決してない”」と強調。

自らのアイデンティティの背景には、移民の立場や、「ヒップホップへの愛やリスペクト」、公立学校の友人、映画・テレビなどがあると説明した。

さらに、アジア系アメリカ人グループは、「未だ何が正しくて、どこに属していないかなど、この旅路が何を意味しているのかを、発見する途上にある」とコミュニティ全体の話に転換。自身のキャリアを通じて、コミュニティ向上に貢献していきたいと語った。

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別のツイートで、セラピストの勧めにより、ツイッターから暫くの間「退く」と、メンタルヘルスの問題を仄めかした。

批判が殺到

長文の釈明に対して、SNSでは、非難の声が殺到している。ライターのBritni Danielle氏は「一言の謝罪もなかった」とした上で、「名声のためにブラクセントを使用したが、謝りだった。心からお詫びする。今後より良くなるよう努める」と素直に言うべきだったとツイート

このほか、「ブラックネスは、あなたのアイデンティティを模索するためのコスチュームではない」「謝罪する代わりに、犠牲者面している。今は黒人歴史月間よ(笑)」「この長文を誰が読むの?」「まずい謝罪の典型例」などの声が寄せられた。

アジア系のユーザーからも、「他のアジア系アメリカ人は、AAVEを搾取することなく、自分のアイデンティティを形成してきた。自分のバックグラウンドを利用している」「アジア人をひとまとめにしないで欲しい」などコミュニティの話に広げたことを批判する声が上がった。

▼「オーシャンズ8」のシーン。ブラクセントと指摘する声が上がった

「ブラクセント」問題が再燃

オークワフィナの「ブラックセント」問題が再び注目を浴びたのは、先月。全米黒人地位向上協会(NAACP)が主催する「イメージ・アワード」で、ディズニーの「ラーヤと龍の王国」に声優として出演したオークワフィナが、吹き替えパフォーマンス賞にノミネートされたことがきっかけだった。

黒人系メディアThe Rootは、オークワフィナをスターダムに押し上げたほとんどの役柄は「ブラセント」をまとったものだったと指摘。「多くの人々は、オークワフィナが黒人をネタにして恩恵を受けてきたと考えており、このノミネーションに怒りを覚えている」と批判した。

オークワフィナは2017年、VICEのインタビューで、オーディション中にアジア人のアクセントを求められ、拒否したエピソードに言及していたことも、非難の対象となっている。

これまで明確な回答をしていなかったオークワフィナだが、昨年9月、ロイターショービズのインタビューで、ブラクセントをめぐる非難について「会話をする準備がある」と語っていた。