「移民税関捜査局に通報してやる」スペイン語を話すレストラン従業員にNY弁護士が脅迫

ニューヨークには、英語以外の言語を話すととんでもない発言をする弁護士が、少なくとも一人いる。

15日、昼時のミッドタウンのサラダ店「Fresh Kitchen」で、男性が店員に向かって暴言を発する動画がソーシャルメディアに公開された。

男性は店のマネージャーらしき男性に、「君のスタッフは、英語を話さなければならないのに、客にスペイン語で話しかけているぞ。」と話し、続けて「ここはアメリカだ。君の従業員は、スペイン語ではなく、英語を話すべきだ」と、まくしたてた。

男性は一旦、出口に向かうそぶりをみせたが振り返って、「ついでに私が察するところ、彼らは不法滞在じゃないのか。」「ICE(移民税関捜査局)に連絡して、私の国から一人ずつ追い出してやるぞ」と脅迫。ICEは、不法移民の取り締まりを行う、国土安全保障省の最大部局。1月には全米のセブンイレブンを一斉捜査し、21人の従業員を不法滞在の容疑で逮捕した。

さらに、男性の言動はエスカレートし、「俺が彼らの生活保護を払っているんだ。俺が払っているから、彼らがここにいられるんだ」と発言。ビデオを撮影する女性に、「ICEに電話するぞ」と脅かしたのち、「君はそのサンドイッチを今日は食べるべきじゃないな。その食べ物から遠ざかったほうがよい」と、女性の体型を皮肉ったと考えられる発言をした。

ABCニュースによると、ビデオを撮影した女性は店のなじみ客で、従業員とスペイン語で話していたところ、男性がどなり始めたという。撮影後、警察に通報すると告げると、男性は手に持っていたサンドイッチと水をカウンターに置き、レストランに金は払いたくない、と吐き捨てて店を立ち去った。

動画は女性の夫がSNSに公開し、すぐに話題となった。その後、社会活動家のShaun King氏のツイッターの呼びかけにより、男性の身元が判明。あろうことか、マンハッタンに自身の事務所を構える、アーロン・シュロスバーグ(Aaron Schlossberg)という名の弁護士だった。

各メディアでニュースに取り上げられ、レイシスト(人種差別主義者)弁護士として有名になったシュロスバーグ氏は、翌日から自宅前やクイーンズの裁判所などで、メディアに追い回される姿が捉えられているが、沈黙を貫いている。

民主党のAdriano Espaillat議員と、Ruben Diaz Jrブロンクス区議長は、裁判所に対して苦情を申し立てたと発表した。裁判所の苦情処理委員会では、制裁措置などについて検討されるという。

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19日、シュロスバーグ氏のコンドミニアム前には、5人のマリアッチのほか約100名が集まり、メキシコ民謡ラ・クカラチャ(La Cucaracha)を歌いながら、「オーレ!オーレ!彼を追い出せ!」と抗議の大合唱を行った。

レイシスト弁護士宅前でマリアッチら抗議の大合唱

22日、シュロスバーグ氏は「私の無礼な行為により傷つけてしまった方々に、お詫びいたします。」と謝罪表明を行った。

レイシスト弁護士が謝罪発表 – 私はレイシストではない

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