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警備員がドラッグを打たれた可能性 米野外フェスでパニック8人死亡

5日、テキサス州ヒューストンで行われた野外フェスティバルのオープニングナイトに観客が殺到し、少なくとも8人が死亡、300人以上が負傷した。

音楽祭「アストロワード・フェスティバル」(Astroworld Festival)は、米人気ラッパーのトラビス・スコット(Travis Scott)が主催し、2018年から自身の地元、NRGスタジアムで開催している。今年のチケットは完売で、5万人以上の観客が参加していた。この日、トラビス・スコットはヘッドライナーを務め、ドレイクも飛び入りで登場した。

ヒューストン消防局の発表によると、事故が起きたのは午後9時15分ごろ。フロントステージには大勢が押し寄せ、パニックが生じたという。トラビス・スコットとライブネーションは、複数人が負傷した事態を受け、10時過ぎにコンサートを中止した。

シルヴェスター・ターナー市長の発表によると、死亡した観客の年齢は10代の2人を含む14歳から27歳。ヒューストン消防局は、25人が病院に搬送され、このうち11人に心配蘇生が施されたと発表している。現在も18歳以下5人を含む13人が入院中だという。会場の野外病院で300人以上が手当を受けた。

検視結果は、まだ発表されていない。

警備員がドラッグを打たれた可能性

6日に会見を行ったヒューストン市警察のトロイ・フィナー警察署長は、警備員の1人が、針でドラッグを注射された可能性があるという報告を受けたと話した。

警備員は、駆け付けた医療従事者に対し、何かを首に刺されたと伝えたのち、意識を失った。オピオイド解毒剤の「ナルカン」(Narcan)を使用し、一命を取り止めた。なおフィナー氏は、警備員とは直接話をしていないと話した。

ニューヨークポスト紙によると、情報筋は犠牲者は全て同じ場所にいたと指摘し、「注射針による攻撃が行われた可能性」について語っている。「無実の人々を狙った攻撃だ。意思に反して薬を盛られた」と事件の可能性を示唆した。同紙によると、無差別にドラッグを打つ犯行は最近、英国のクラブで報告されているという。

会場はカオスに

SNSには、イベント開始前から会場に殺到する若者の姿や、救急隊員によって搬送される男性、ライブの中止を求める観客の様子など多数の動画が投稿されている。

YouYubeに投稿された動画では、ライブ開始後30分には、救急車が観客の中に入っていく様子が撮影されている。トラビス・スコットは「みんな大丈夫なら、中指を立てて、手をあげてくれ」と呼びかけた。75分間のライブ中、複数回中断した。

SNSには「ショーをやめろ」と叫ぶ様子も投稿されている。別の動画では、騒ぎに気づいたトラビス・スコットは、いったん歌うのをやめ、倒れた観客を助けるよう求めた。

会場にいたジェニファー・ヘルナンデスさん(24)は、Insiderの取材に、息ができず「パニックアタックを感じた。警備員は対応しなかった。人々は押しつぶされ、空気もなかった」と話した。

アーティストのSeanna Faith McCartyさんはSNSで、一部の人は卒倒したり、息ができないと叫ぶ声が響いていたにも関わらず、ライブは続行したと語っている。「ジェンガタワーの倒壊のように」人々は折り重なって倒れた後、「人体の床」は踏みにじられたという。カメラのオペレターに、中止を求めたが無視され、観客からはブーイングを浴びたなど詳細を述べた。

トラビス・スコットは6日に声明を発表。「大きなショックで打ちのめされている」と述べ、遺族や負傷者に祈りを捧げると述べた。捜査当局に全面的に協力する姿勢を示した。

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