ニューヨークのマンハッタンで18日、上半身裸の男がアジア人男性(48)に差別発言をした上、指に噛みついて、けがを負わせた。
事件は午前9時50分ごろ、ヘルズキッチンのウエスト43ストリートと11アベニューで起きた。男は「国に帰れ」と叫び、男性の顔を複数回殴った。その後、男性の2本の指に噛み付いた。ニューヨーク市警察は、男性の中指の先端が切断されたと発表している。
WABC7によると、男性はロングアイランド在住の運転手で、乗客をピックアップするためにマンハッタンにいたという。病院で手当てを受け、容体は安定しているという。
ニューヨーク市警察は、ホームレスのシェルターにいたロイド・レベル(Lloyd Revell)容疑者(38)を拘束した。レベル容疑者はヘイトクライムとしての暴行罪で起訴された。
The individual then told the victim to "go back to your country" before repeatedly punching him in his face and biting the victim's two fingers causing the middle finger tip to be severed. Have any info? DM @NYPDTips or call them at 800-577-TIPS. All calls are anonymous. pic.twitter.com/PYsMZG9bdf
— NYPD NEWS (@NYPDnews) May 19, 2021
ヘルズキッチンでは、過去2カ月間で3件のアジア人に対する暴行事件が起きている。
3月には65歳のフィリピン系の女性が、教会に向かう途中で男に倒され、頭部を繰り返し蹴られた。今月初めには31歳のアジア人女性がハンマーで殴打される事件があった。
昨年から、米国全体でアジア人に対するヘイトクライムが増加している。アジア系アメリカ人と太平洋諸島の人々に対する暴力および嫌がらせを追跡するStop AAPI Hateによると、昨年3月から約1年間で、アジア人に対する憎悪事件が3,800件以上報告された。このうち500件以上はニューヨーク州だという。
憎悪犯罪の増加を受け、バイデン大統領は20日「新型コロナウイルス・ヘイトクライム法」に署名した。